1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670627
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
濱中 裕一郎 山口大学, 医学部・附属病院, 構師 (40189618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 哲史 山口大学, 医学部, 助手 (90136177)
鈴木 敞 山口大学, 医学部, 教授 (20026834)
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Keywords | 脂肪消化吸収試験 / 消化器手術后の消化吸収能 / トリグリセリド吸収能 |
Research Abstract |
我々の開発したシュ-クリ-ム負荷試験により消化器手術後の脂肪消化吸収能を評価することが可能となった。 健常対照者と胃部分切除、胃全摘、胃合併切除膵頭十二指腸切除(胃合切PD)、幽門輪温存膵頭十二指腸切除(PPPD)および膵尾側切除患者について術後脂肪吸収パタ-ンの変化並びに脂肪消化吸収能の経時的推移をみることにより、術式別に手術法の効果を評価することができた。即ち、健常対照群の脂肪消化吸収指標は1.47±0.06(平均±標準誤差)であるのに対し、胃部分切除、胃全摘、膵頭十二指腸切除患者では各々1.24±0.06、1.05±0.02、1.02±0.02と手術侵襲に相関がみられた。脂肪消化吸収パタ-ンを5型に分類して障害の程度を比較すると、健常対照者の約90%が2型、3型を示すのに対し、最も障害の著しい5型は、胃合切PD(75.0%)、次いでPPPD(58.8%)、胃全摘(53.8%)、胃部分切除(29.1%)の順になっていた。術後1年以上を経過した遠隔期の脂肪消化吸収能をみると、良性疾患による胃部分切除(1.40±0.15)、PPPD(1.16±0.09)、悪性疾患による胃部分切除(1.14±0.10)、胃全摘(1.01±0.04)、胃合切PD(1.02±0.04)であり、PPPDの回復は良好であった。これはPPPDにおける胃の温存効果が脂肪消化吸収能に好影響を与えるものであることが確認できた。現在、遠隔期症例を重ねて消化吸収能改善を確認しつつあり、またラットを用いて、投与脂肪成分の差による吸収程度の差を検討している。
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Research Products
(1 results)