1992 Fiscal Year Annual Research Report
内臓神経ブロックにおける電気刺激による疼痛発生域とその除痛効果との関連性
Project/Area Number |
03670739
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
藤田 喜久 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10144263)
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Keywords | 自律神経 / 交感神経ブロック / 内臓神経ブロック / 癌性疼痛 / アルコール / 電気刺激 / 組織圧 |
Research Abstract |
平成3年度に引き続きCTガイド下に腹腔神経叢ブロック(内臓神経ブロック)を上腹部臓器癌由来の疼痛患者に対して行った。そして、その全症例27名についてブロック針の針先の位置および注入されたアルコールの分布領域について分析検討した。4名については薬液注入前に100Hzにて電気刺激を行い疼痛発生部位を調べた。その結果は以下に記す。 1.計54回の穿刺中、48回(84%)でretrocrural space、残り6回ではanterocrural spaceに針先のあった。両側内臓神経ブロック(anterocrural space)を患者は21名(78%)に行った。 2.組織圧はアルコール15ml注入前では、retrocrural spaceとanterocrural spaceで差がなかったが、アルコール注入後の値はretrocrural spaceが有意に高かった。 3.両側内臓神経ブロック患者21名中10名(48%)でアルコール溶液のanterocruralへの分布が認められた。これは、アルコールが大動脈裂孔あるいは横隔膜脚より流出した結果と考えられた。 4.両側内臓神経ブロック患者21名中20名で除痛効果がえられた。 5.内臓神経刺激により同側の腹部内部あるいは側腹部に疼痛がえられ、反対側にはえられなかった。しかし、ブロック除痛効果との関連は神経刺激を行いえた例数が少ないこともあり確認できなかった。
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Research Products
(1 results)