1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670766
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
対木 章 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (60175461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萬代 泰男 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (70239169)
深谷 孝夫 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (80133974)
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Keywords | 着床 / 共培養 / 脱落膜細胞 / 胚 / 胚移植 / 細胞外マトリックス / テネイシン |
Research Abstract |
不妊症治療の成否の鍵を握る着床機序の解明を目的に1).ラット脱落膜細胞培養系を用いたin vitro着床系、2)マウス胚移値システムを用いたin viio着床系、3)各月経周期のヒト子宮内膜における細胞外マトリックス分子の発現(免疫組織化学的手法)、の3つの実験系を設定し、検討した。 1)、当初、in vitro着床系に用いたマウス子宮内膜は回収率が低く、細胞の生存性も良くないため、wistar系成熟雌ラットに脱落膜反応を誘起後、脱落膜細胞を回収、培養し、in vitro着床モデルとした。培養細胞は4日目に最もconfluentな状態になった。超微形態学的には分泌顆粒に富む円形の細胞で、junctional complexやmicrovilliが欠如しており、脱落膜細胞由来であることが確認された。また同系ラット胚を共培養した結果,桑実胚の74%が胞胚に発着し、更に26%がハッチングをおこした。これに対して、培養液のみのコントロ-ル群では胞胚への発育率は14%と有意に低かった。今後、このin vitro系の生体内での着床現象との違いを検討する必要がある。 2)、受精卵採取用雌マウス、交配用雄マウス、偽妊娠作製用の精管切除雄マウス、偽妊娠レシピエント雌マウスを用意し、過排卵処理後の自然交配により得られたマウス胚を体外培養した後、偽妊娠状態にしたホストマウスへの卵管移植、子宮内移植を行なった。現在のところ、まだ妊娠の成立が認められず、今後、各ステップにおける技術の改良を要する。 3)、パラフィン包埋した子宮内膜標本について各月経周期別に分け、細胞外マトリックス分子であるテネイシンの発現を免疫組織化学の手法により検討したが、サンプリングした組織の固定法に問題があり、一定の結果が得られなかった。今後、新鮮標本において検討の予定である。
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