1992 Fiscal Year Annual Research Report
コプロポルフィリンを用いた非浸襲的 羊水塞栓症 診断法の開発
Project/Area Number |
03670775
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
金山 尚裕 浜松医科大学, 医学部, 助手 (70204550)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住本 和博 浜松医科大学, 医学部, 助手 (30126817)
|
Keywords | 亜鉛コプロポルフィリン / 羊水塞栓症 / ショック / HPLC. |
Research Abstract |
今年度は亜鉛コプロポルフィリンによる羊水塞栓症診断のフィールドトライアル、及びニアミス症例の検討を研究主題とした。また簡易キットの測定も試みた。 1、亜鉛コプロポルフィリンによる羊水塞栓症診断のフィールドトライアル 全国8施設から25例の妊産婦ショック症例の血清を得た。亜鉛コプロポルフィリン値をHPLC法にて測定した。そのうち、亜鉛コプロポルフィリンは4例に高値(36pmol/ml以上)を示し、内3例は臨床的にも羊水塞栓症と思われ、1例は死亡した。亜鉛コプロポルフィリンの測定感度が高いことが示唆された。 2、血清亜鉛コプロポルフィリン測定と羊水塞栓症ニアミス例の検出の診断 分娩直後母体血を採血し亜鉛コプロポルフィリン値をHPLC法にて測定した。約150例を検討したところ、5例に亜鉛コプロポルフィリン値が8pmol/ml-35pmol/mlの境界値を示した。それらの内訳は羊水混濁(2例)、過強陣痛(陣痛促進剤による)(2例)、遷延分娩→帝王切開(1例)、遷延分娩+骨盤位分娩(1例)であった。いづれも産科的合併症をもった症例で、殊に羊水内圧が上昇するような状態で羊水が母体血中に流入しているのではないかと考えられた。分娩時、亜鉛コプロポルフィリンを測定することにより羊水塞栓症の予知、予防が可能ではないかと考えられた。 3、C_<18>カートリッジカラムによる簡易測定キット開発 羊水塞栓症の診断は急を要すのでベッドサイドで測定できることが肝要である。そこでベッドサイドでも使用可能なキットの開発を試みた。高速液体クロマトグラフィーの原理を応用しC_<18>カートリッジカラムを利用し血清中の亜鉛コプロポルフィリンの溶出を調べた。血清に一定量の亜鉛コプロポルフィリンをくわえそれをC_<18>カートリッジカラム添加しアセトニトリル:燐酸緩衝液=1:4で溶出すると滴下6滴-10滴で亜鉛コプロポルフィリンが溶出されそれをPVP膜に吸着させ紫外線ランプをあてると亜鉛コプロポルフィリン特有のオレンジ色の蛍光が観察された。70nmol/1位の感度であり、さらに条件を工夫すれば血清中亜鉛コプロポルフィリンの簡易測定法が可能と考えられた。
|
-
[Publications] 金山 尚裕: "胎便固有物質ー亜鉛コプロポルフィリンの簡易測定法の開発" 日本新生児学会雑誌. 28. 704-704 (1992)
-
[Publications] Naohiro Kanayama: "Determinony Zin C Coplopolphyrin in maternal Plasme" Clinical Chemistry. 38. 526-529 (1992)