1993 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜上皮化生との関連からみた子宮内膜癌の病理発生の解明に関する研究
Project/Area Number |
03670792
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Research Institution | Kyusyu University |
Principal Investigator |
加来 恒壽 九州大学, 医学部, 助手 (60185717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平川 俊夫 九州大学, 医学部, 助手 (20218770)
嘉村 敏治 九州大学, 医学部, 助教授 (30152870)
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Keywords | 子宮内膜癌 / 子宮内膜上皮化生 / 子宮内膜増殖症 / 病理発生 / 脈管侵襲 / 筋層浸潤 |
Research Abstract |
日米間の症例を対象として子宮体癌周囲の内膜における子宮内膜上皮化生の有無と体癌の組織型、分化度、浸潤の深さ、脈管浸襲の有無などとの関連について比較検討した。当科と米国ジョージ・ワシントン大学で診断された61例、41例の体癌症例についてその周囲の内膜における化生の発現について光顕で観察した。本邦群は米国群に比べて化生の出現頻度が有意に低く、隣接する体癌は高分化型が少なかった。これらの結果から日米で体癌の発生母地に差異があることが示唆された。この結果も誌上に発表した。次に化生と密接に関連のある内膜増殖症と体癌との関連を体癌115例について検討した。体癌周囲の内膜における内膜増殖症の有無は化生の有無と有意に相関していた(P=0.0001)。内膜増殖症陽性は42例(37%)であった。陽性群は陰性群に比べて若年で、より高分化で、深層への筋層浸潤、頸管浸潤、脈管浸襲および大動脈リンパ節転移の頻度が有意に低いことが明かになった。また推定5年生存率は陽性群(96.6%)が陰性群(73.3%)に比べ有意に高かった。更に化生と筋層浸潤との関連、化生と脈管侵襲との関連、化生と体癌患者の年齢との関連についても検討を行った。
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Research Products
(1 results)