1993 Fiscal Year Annual Research Report
扁桃における活性酸素・フリーラジカルとその病態生理
Project/Area Number |
03670814
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
形浦 昭克 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60045359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久々湊 靖 札幌医科大学, 医学部, 助手 (00231291)
志藤 文明 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70170876)
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Keywords | 病巣性扁桃炎 / 活性酸素 / チトクロームC / ASO / 溶血連鎖球菌 / 好中球機能 |
Research Abstract |
免疫臓器として知られる扁桃の病態生理を考える際,種々の炎症を引き起こすといわれるフリーラジカルが,扁桃炎に対する媒体としてどのように介在し,臨床免疫学的にいかなる役割を演じているかを掘り下げる目的で検討を行った。 習慣性扁桃炎,および,病巣性扁桃炎症例より末梢静脈血を採取し,デキストラン沈降法にて好中球を分離し,その好中球の産生するフリーラジカル・活性酸素をチトクロームCの還元量をもとに測定を行った。また同時に,血清CRP値,末梢血白血球数,血清ASO値,扁桃炎罹患頻度について,また,同一症例において,扁桃炎急性期と,寛解期とにおける好中球活性酸素産生能の相違について検討を行った。その結果,好中球活性酸素産生能と血清ASO値との間に,統計学的に有意な,負の相関を認めた。 一方,ASO値との相関が認められたことより,溶血連鎖球菌感染による扁桃炎における活性酸素の作用動態を知るため,S.pyogenes T4(WHO4990),S.pyogenes T12(WHOSF42)の培養上清とともに培養した健常人末梢血好中球の活性酸素産生能を測定したところ,培養上清の蛋白濃度に依存性に活性酸素産生能が抑制される傾向を認め,血清ASO値と当該患者の好中球活性酸素産生能との負の相関性が認められた結果となんらかの因果関係の存在を示唆している。 今後,扁桃炎の起炎菌である溶血連鎖球菌の培養上清中,いかなる成分が活性酸素産生能に影響を及ぼしているのか,また,扁桃なる免疫臓器のリンパ球との関わりにつき知る必要があると認められた。
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