1992 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚感覚上行路の神経網内でのシナプス結合を決定する要因の研究
Project/Area Number |
03670882
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
佐藤 豊彦 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (80064830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 裕美 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (20241143)
横田 たつ子 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (70192416)
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Keywords | 皮膚感覚 / 触覚 / 三叉神経核 / ニューロン活動 / 機械的刺激 / 刺激速度の検出 / ラット |
Research Abstract |
麻酔したウイスター系ラットを用いて吻部の洞毛の機械的刺激に応答する三叉神経感覚核の単一ニューロン活動を記録した。主な目的は、洞毛の変位速度を各ニューロンがどのように符号化しているかを調ベることにあった。洞毛の機械的刺激は変位量0.5-2.0mm、刺激時間0.1-0.6秒の間で行なった。ニューロンの反応強度は単位時間内のスパイク発射頻度で評価した。 1.最も感受性の高い方向へ向って刺激した場合の、変位速度と反応強度との関係は、記録されたニューロンの半数において、一次関数で極めて良く近似された。変位速度がある程度以上にならないと著明な反応を示さない低感度のものが25%あった。刺激速度が高くなると反って反応強度が低下するものが10%あった。これらのニューロンでは抑制性の介在ニューロンが付属しており、その活性化の結果であると想像される。 2.最適刺激方向とは180°異なった反応方向への刺激でも、変位速度/反応強度の関係が直線的であるものが最も多く、50%を占めたが、最適方向の刺激の場合も同様に直線的であったものはその半数であった。反対方向への刺激には全く応答しないものは10%であった。 結論:洞毛への機械的刺激の速度の判定は、第二次の単一ニューロンのレベルで既に可能であり、複数の上位感覚ニューロンの興奮の時間差として符号化されている必要は必ずしも無い。
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