1992 Fiscal Year Annual Research Report
超弾性型ニッケル・チタン合金の口腔外科臨床応用の基礎的研究
Project/Area Number |
03670938
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Research Institution | The Department of Oral and Maxillofacial Surgery 2, Faculty of Dentistry. Tokyo Medical and Dental University. |
Principal Investigator |
杉山 芳樹 東京医科歯科大学, 歯学部, 文部教官助手 (00162909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 正俊 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助手 (70212826)
小野 富昭 東京医科歯科大学, 歯学部, 文部教官講師 (80014207)
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Keywords | 超弾性型ニッケル・チタン合金 / 形状記憶合金 / 顎補綴 / 唇顎口蓋裂 / 顎欠損 |
Research Abstract |
本年度は、超弾性型ニッケル・チタン合金と軟性レジンを組み合わせる口腔床の軟組織維持装置を開発するための基礎研究および、維持装置の製作法を検討した。その結果、現段階では以下の材料、条件で維持装置を作製することにした。維持装置に利用する超弾性型ニッケル・チタン合金型ワイヤーは矯正用0.2mm径のものを用いた。形態付与はステンレスチューブを用い同合金ワイヤーを二次元的に屈曲し、これを440℃ソルトバス中で熱処理する。得られた屈曲線は変態温度が0〜10℃形状記憶能を有し、氷水中で容易に塑性変形させることができ、口腔内温度で形状を回復し、しかも超弾性の性質を有する。これを維持装置に必要な長さに応じ複数本並列させ、維持装置の核とする。この核の周囲に軟性レジンとしてシリコンラバー系軟性レジン(モロジル、モロプラスト社製)を流し込み法により埋没する。このとき、直接ワイヤーを軟性レジンを接触させず、ワイヤー周囲にシリコンラバーを介し接触させるようにする。こうして作製した軟性レジン超弾性型ニッケル・チタン合金ワイヤー複合症維持装置は、ホッツ床などのような床装置にレジンで固定し、口蓋裂などの口腔欠損部でアンダーカットの存在する部位に床維持力を求めるようにした。 一方、臨床応用では、現段階では、この維持装置を装着した臨床応用可能と思われる床装置を作製し、その予後を観察中であるが、短期的には維持装置の生体に対する応力の調整に難渋し、今後のその適正応力についての研究が必要と思われる。 また、前年度作製した1600余名の唇顎口蓋裂患者のデータベースは、当料における唇顎口蓋裂専門外来の患者呼び出しや、診療の際の患者病歴の照会など、患者個々の臨床状態の把握に現在稼働中である。
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