1993 Fiscal Year Annual Research Report
外科的矯正治療患者の顎口腔機能および顎歯列形態の総合的解析に関する研究
Project/Area Number |
03670940
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小林 正治 新潟大学, 歯学部・附属病院, 助手 (80195792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 正己 新潟大学, 歯学部・附属病院, 講師 (20170201)
中島 民雄 新潟大学, 歯学部, 教授 (10014010)
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Keywords | 顎変形症 / 外科的矯正治療 / 咀嚼能率 / 咀嚼筋筋電図 |
Research Abstract |
顎変形症患者ならびに正常咬合者の咀嚼筋筋電図分析と咀嚼能率を測定した。対象は、顎変形症群として外科的矯正治療を予定している下顎前突症患者20名、対照群として顎機能障害を認めない正常咬合者10名であった。筋電図は、両側側頭筋前部および咬筋中央部より双極誘導法で導出した。被験食品にはチューインガムを用い、10ストロークの波形について分析した。分析は、筋活動時間、筋活動間隔時間、咀嚼周期および筋活動時間の積分値の平均値と変異係数を算出した。咀嚼能率は、ATP顆粒法を用いて測定した。 筋活動時間、筋活動間隔時間および咀嚼周期の平均値では、対照群と顎変形症群の間に有意差は認められなかった。筋活動時間の変異係数では、顎変形症群が対照群に比較して有意に大きな値を示した。また、筋活動間隔時間の変異係数においても顎変形症群の方が大きな値を示したが、非咀嚼側咬筋においてのみ有意な差を認めた。咀嚼周期の変異係数で、顎変形症群が対照群に比較して大きな値を示し、全ての筋において5%以上の危険率で差を認めた。筋活動時間の積分値では、顎変形症群が対照群に比較して著明に小さな値を示し、咀嚼側側頭筋および咬筋と非咀嚼側側頭筋において1%以下の危険率で差を認めた。また、筋活動時間の積分値の変異係数でも、顎変形症群の方が大きな値を示したが、非咀嚼側側頭筋においてのみ有意な差を認めた。咀嚼側側頭筋および咬筋における筋活動時間の積分値とATP吸光度法による咀嚼能率との間には、ともに1%以下の危険率で相関関係が認められた。咀嚼側側頭筋および咬筋における筋活動時間の変異係数とATP吸光度法による咀嚼能率との間には、ともに1%以下の危険率で負の相関係数を認め、咀嚼能率の高い被験者では安定した咀嚼リズムを示していた。
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Research Products
(1 results)