1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03671010
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
高柳 弘明 北里大学, 薬学部, 助教授 (00050477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古畑 公夫 北里大学, 薬学部, 講師 (60050605)
小倉 治夫 北里大学, 薬学部, 教授 (90050335)
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Keywords | X線結晶構造解析 / ピクラートの結晶構造 / ナフトキノンのピクラートの結晶構造 / キノリンのピクラートの結晶構造 |
Research Abstract |
基本的な化合物のピクラートの系統的な結晶構造を解明することは教育上、また研究上重要と思われ、それらの系統的X線結晶構造解析を行ない現在までに次のような結果を得た。平成3年度中に既に代表的芳香族炭化水素であるベンゼン、o-,P-キシレンのピクラートのX線解析に成功し、π結合による錯体形成機構を明らかにした。Chem.Pharm.Bull.,39,2491(1991). 更に、平成3年度から平成4年度にかけて、キノリン、イソキノリン、1、4-ナフトキノン、アニリン、N-メチルアニリン、N,N-ジメチルアニリン、o-,m-,p-フェニレンジアミン等のピクラートのX線解析に成功した。 芳香族複素環化合物であるキノリンのピクラートはイオン結合と水素結合で安定な結晶を形成している。Analytical Sciences,8,579(1992). イソキノリンのピクラートのX線結晶構造解析の結果、このピクラートはイオン結合と水素結合の他にπ結合が結晶の安定化に寄与していることが明らかになった。Chem.Pharm.Bull.,40,1612(1992). キノン類のとして1、4-ナフトキノンのピクラートの結晶構造解析に成功した。1、4-ナフトキノンの芳香環とピクリン酸がπ結合して結晶を形成していることを明らかにした。 Analytical Sciences,8,905(1992). 芳香族アミンのアニリン、N-メチルアニリン、N,N-ジメチルアニリンのピクラートは、いずれもピクリン酸のフェノールのプロトンがアミンの窒素原子に移動し、窒素原子はsp^3構造を取って、イオン結合している。又、N-メチルアニリンのピクラートはその安定化にπ結合も寄与していることが明らかになった。更に、o-,m-,p-フェニレンジアミン類のピクラートのX線解析も成功させており、いずれもイオン結合、水素結合で結晶を形成させており、 特にo-フェニレンジアミンは1分子に対し、2分子のピクリン酸が結合している。投稿中
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Goto: "Crystal Structure of Quinolinium Picrate" Analytical Sciences. 8. 579-580 (1992)
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[Publications] M.Goto: "Crystal Structure of Isoquinoline:Picric Acid Complex" Chem.Pharm.Bull.40. 1612-1613 (1992)
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[Publications] M.Goto: "Crystal Structure of 1,4-Naphthoquinone Picrate" Analytical Sciences. 8. 905-906 (1992)