1992 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュータの体内留置化による生体信号の直接記録に関する研究
Project/Area Number |
03671083
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
牧川 方昭 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (70157163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土居 伸二 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (50217600)
佐藤 俊輔 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (60014015)
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Keywords | 生体信号 / マイクロコンピュータ / 無拘束計測 / 体内留置 |
Research Abstract |
神経活動などの生体電気信号,血流速度信号,心拍出量等の生体力学信号など,生体内で発生する種々の信号を長時間にわたって記録,解析することは生体の機能を解明する上でも,種々の疾患の発生機序を明らかにする上でも重要である. 本研究の最終目標は,センサ,刺激電極,記録解析ならびに通信用のコンピュータなど,生体内信号の記録,解析に必要な一切の要素を体内に埋め込み,いわば生体内信号記録解析ステーションを実現することによって,生体の内部で発生する種々の生体信号を直接記録,解析する手法を確立しようとするものである. 本年度は,特に体内コンピュータシステムとしての持つべき条件を検討した.問題は,体外から体内のコンピュータを完全にリモートコントロールすることが出来るかどうかであり,電力消費節減のためにほとんどの時間をスリープ状態で過ごす体内コンピュータを,赤外線などの通信手段でいかにコントロールするかである. 結果は,スリープ状態にあるコンピュータシステムが完全に通信回線を介してコントロールしうることが明かとなり,計測データの回収,計測プログラムの送出,周辺回路のリモートチェックなどが可能であることが示された.また,本装置がスリープ状態にある場合の消費電流は約1mAであり,装置全体は名刺大の大きさにまで小型化できることを確認した. また,本装置を動物の行動分析や身体活動量測定などに使う場合には,携帯型生体信号収集処理装置として,体外に装着することができる.この点に関しては,心電計アンプ,加速度計を内蔵した装置を作成し,人の1日のこれらの信号の変動が記録できることを明らかにし,この種の装置の臨床上の有効性を確認した.
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[Publications] 牧川 方昭: "無拘束計測装置開発の基本理念" 日本ME学会専門別研究会「生体信号の長時間無拘束計測と解析」研究会研究報告集. 1-1. 16-21 (1991)
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[Publications] Makikawa,M.: "Dereropment of an ambulatory biosgnal memory device and its clinical application" J.Medical & Biological Engineering & Compvting. 29(suppl). 559-559 (1991)
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[Publications] 今井 勝喜: "種々の場面における心拍間隔,身体活動量の同時計測" 第6回生体・生理工学シンポジウム論文集. 431-434 (1991)
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[Publications] 吉田 正樹: "長時間計測筋電信号を用いた筋活動量の評価" 第6回生体・生理工学シンポジウム論文集. 447-450 (1991)
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[Publications] 牧川 方昭: "無拘束体調モニタ装置による身体活動,心活動の同時計測" 日本ME学会専門別研究会「生体信号の長時間無拘束計測と解析」研究会研究報告集. 1-6. 211-216 (1992)
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[Publications] 牧川 方昭: "身体活動,心活動の無拘束モニタ装置:循環系パラメータの無拘束計測に求められる技術" 医用電子と生体工学. 30-特別号. (1992)