Research Abstract |
本年度の本研究では,診療録の電子化による蓄積検索のために,病院情報システムのデ-タベ-スと直接リンクした電子イメ-ジファイリングシステムを作成し実用的な運用を行い,その運用上の評価ならびに問題点などを検討した。このシステムは,カルテ登録システム,カルテ表示システム,カルテ検索システムからなっており,病院情報システムのコンピュ-タ端末を利用し,退院カルテを迅速に検索しイメ-ジ表示することが可能となった。イメ-ジ表示に要する時間は,平均約6秒であり臨床現場における実用的な運用が可能となった。 カルテ登録システムでは,手書きカルテとその関連資料(レポ-ト)にわけ登録でき,頁単位にての追加,差し替え,削除などの編集機能の充実,さらにOCR(Optical Character Reader)装置の連続入力機能を利用することにより,イメ-ジファイリングに要する作業の簡素化が実現した。カルテ表示システムでは,カルテとレポ-トにわけ検索表示でき,検索の迅速化が実現した。また,限られた画面(14インチ)にカルテを表示するために,標準表示(2頁表示),拡大表示(半頁),検索表示(上半頁を4頁)の3種類の表示方法を開発し,検索の迅速化と表示の読み易さを検討した。カルテ検索システムでは,病院情報システムのオンラインデ-タベ-スの患者基本情報の中から,患者氏名,生年月日,入院月日,退院月日,診療科等の情報を送信し,10個のインデックスキ-とともに,リレ-ショナルデ-タベ-スによる複合条件検索を可能にし,医学研究・教育への診療録利用環境の向上・充実をはかった。 心電図の波形情報は,本年度はイメ-ジ情報としてのファイリングとして運用したが,心電計から直接デ-タをオンライン送信し,光ディスクへ蓄積し検索・表示する計画であり,現在取り込まれた波形デ-タの画面表示の迅速化について検討中である。
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