1991 Fiscal Year Annual Research Report
慢性疾患患者家族介護者のストレス・コ-ピングに関わる家族機能と家族支援の要因分析
Project/Area Number |
03671122
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
羽山 由美子 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (10124405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 彰子 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (90229253)
鳥居 央子 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (10227671)
山崎 久美子 東京医科歯科大学, 教養部, 助教授 (30200653)
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Keywords | 家族介護者 / ストレス / コ-ピング / 家族機能 / 家族支援 |
Research Abstract |
文献研究では、本年度はがん患者の家族介護状況について、特に英米圏の文献を中心に検索・研究をおこなった。家族ニ-ズは、これまでの精神障害者を対象とする文献研究では、日本と英米では医療システム等の相違が大きくあるにも関わらずかなり共通した側面があることが分かった。がん患者の場合は、まず家族ニ-ズといっても、米国の研究ではその家族とは主として配偶者であることが多く、従ってニ-ズも夫婦関係に関わる内容であった。介護に関するニ-ズでは、患者・看護婦および家族のそれぞれを対象に調べたいくつかの研究で、患者や看護婦は家族介護者のニ-ズは家庭における身体的ケアに関すること、介護に伴う疲労と休息に関することと認知していたのに対し、介護者の方は不確かさ、死の恐怖、絶望感などへの心理的・情緒的ニ-ズが第一にあがっていた。 本年度のデ-タ収集はパイット・テストとして行ったので、対象群別の比較はおこなっていない。がん患者の家族面接では、介護に従事する者は少数のサンプルにも関わらず配偶者の他、親子、姉妹、義理関係など多彩な成員が含まれていた。また、英米圏の報告と相違する点として病名告知の問題が関連しており、家族のストレスも病名や病状を患者に隠しながらの介護に関することが前面に出てきていた。精神障害者の家族面接は、例数が少なかったがストレスとしては主に、病状や治療の進行状況が十分に理解されていないため(あるいはそれらの情報が適切に提供されていないため)、今後どうなるのかといった不安がだされていた。コ-ピング内容については、今回の面接では特徴が出てきていない。家族機能は質問紙(FES尺度)を使用、結果は例数が少ないの分析していない。
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[Publications] 羽山 由美子,本田 彰子: "家族の病気認知と患者への対応ーがん患者および精神分裂病患者の家族面接からー" 第1回日本精神保健看護学会学術集会プログラム・抄録集. 17-17 (1991)
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[Publications] Hayama,Yumiko: "Perception of psychiatric illness and family's response" Good Nursing Care:International Nuring Conference Turku,Finland. 18-18 (1991)
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[Publications] Honda,Akiko and Hayama,Yumiko: "Family caregiving of cancer patients in hospital:Japanese experiences" Good Nursing Care:Internatinal Nursing Conference Turku,Finland. 22-22 (1991)
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[Publications] 本田 彰子,羽山 由美子: "がん患者とその家族の「闘病」に関わる要因ー病名及び病状認識に焦点をあててー" 日本看護科学会誌 第11回日本看護科学学会講演集. 11(3). 44-45 (1991)