1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03680076
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Research Institution | OTSUMA WOMEN'S UNIVERSITY |
Principal Investigator |
千羽 喜代子 大妻女子大学, 家政学部, 教授 (90074913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 信義 大妻女子大学, 家政学部, 名誉教授 (80074912)
大澤 清二 大妻女子大学, 人間生活科学研究所, 教授 (50114046)
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Keywords | 幼児の思いやり行動 / 母親の思いやり行動 / 母と子の思いやり行動の相関 / 家族親和 / 他者受容 |
Research Abstract |
幼児の思いやり行動の発達は、親とくに愛着の対象者であり、かつ接触頻度の高い母親の思いやりが重要な要因となっているとの仮説から、幼稚園年長組49人とその母親を対象に、幼児の思いやり行動50項目と母親の思いやり行動31項目、さらに19項目から成る家族親和との関係を求め、以下の知見を得た。 1)幼児の思いやり行動50項目は、「援助」「状況判断援助」「自己主張」「情緒表出」「気持ちの受け入れ」「その他」のカテゴリーに分類されることから、母親の側の思いやり行動31項目も、幼児と同じカテゴリーのもとに分類し、両者間の相関を求めたところ、母親の思いやり行動は「相手を援助する」「状況判断とその結果としての援助」「相手の気持の受け入れ」の間に有意な相関のあることを認めた。これらのカテゴリーは、いずれも他者受容の領域に入るものと考える。 2)家族親和のために設定した項目は、「対等性」「愛情の表現」「協調性」「言語表現が奨励され自由である」「受容し同一化する態度」「自治的行動が許されている」「両親との信頼性」の7つのカテゴリーから成っているが、家族親和のために設定した項目は、母親の思いやり行動や幼児の思いやり行動の設定項目とは独立の関係にある。 3)よって、幼児の思いやり行動は、家族親和という間接的な要素を背景にしながら、より直接的な体験として、愛着の対象者による思いやり行動、特に他者受容を中核とした親の対応のもとで発達していくことが確認された。
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Research Products
(1 results)