1992 Fiscal Year Annual Research Report
生命の起原研究についての科学史的研究・1920年代から1950年代まで
Project/Area Number |
03680094
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
江上 生子 東京工業大学, 工学部, 助手 (80016493)
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Keywords | オパーリン / 化学進化説 / 三系統の著作 / コアセルヴェート / ホールデン |
Research Abstract |
A.I.オパーリンの1924年論文を主に分析した昨年度に続いて今年度は,″化学進化″という概念について,また,オパーリンの36年以降の諸著作の展開を中心に調べ,以下のことが明らかになった。 1.現在,化学進化による生命起原論をオパーリン・ホールデン学説と称することがあるが,″化学進化″の話は,1949年,J.D.バナールによって使われている。その後,オパーリン著作の英訳者S.モルグリスによって52年に使われ,M.カルヴィンによって50年代後半以降,普及された。ただし,バナール以前の使用例の有無については未検討である。(『サジアトーレ』No.21に発表)。 2.オパーリンの最初の生命起原論のあと,それを発展させ,オパーリンの特徴として「コアセルヴェート説」といわれるようになった36年版以降の諸著作の展開の系統を図示すると,のように三系統に分れる。常に新しい科学の成果の受容に努めて著された,自然科学の専門家を対象とする学術的な第一系統に対して,第三系統は全くの啓学的なもので,内容にもソ連の政治的な情况が反映しているともいわれる。第二の系統は,中間的なもので,自然科学とともに哲学的側面をも含んでいる。(図中〓は,邦訳のあるもの) 3.オパーリンと異って,J.B.S.ホールデンは,29年の発表以後,ほとんど,その生命起原論を展開していない。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 江上 生子: "オパーリン関係資料-その1-" 生物学史研究. No.56. 45-52 (1992)
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[Publications] 江上 生子: "オパーリン関係資料-その2-" 生物学史研究. No.56. 53-62 (1992)
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[Publications] 江上 生子: "″化学進化″ということば-科学史の小さな仕事-" サジアトーレ. No.21. 14-17 (1993)