1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03680245
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
長沼 健 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (00024034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 宗雄 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90023978)
尾嶋 平次郎 愛知教育大学, 名誉教授 (50023940)
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Keywords | 教育化学 / 化学教育 / 実験教材 |
Research Abstract |
本研究では「教育化学」の意義とその確立のための基礎的検討を行なった。津田 栄が40年以上も前に述べたことが、今でも解決されていない部分が多い。その理由の一つとして、理科系・文科系の分類がはっきりして文科系の人は自然科学に対して興味をもとうとしなくなり、科学的思考過程を理解できなくなる。このことは、社会人としての欠落部分になるのではないかと不安がある。その意味で文科的要素を含んだ自然科学として「教育化学」を捉えてみた。化学は理論と実験にバランスのとれた学問であるので、科学的思考過程を追求するには一つずつ段階を踏むことができる。本研究のスタッフが大学での教員養成に関わっていることから、本研究ではその過程を2つの方向から検討した。 一つは、大学としての専門的内容からの応用で、従来の教材研究とは違った、専門分野でも面白いと思われる現象なので、とくに不思議さが強調される。このことは、化学の研究をしている多くの人がこの視点を持つようになれば、興味ある実験課題は広がるであろう。もう一点は、実行者の発想にゆだねて、指導者がそれをサポートしていく場合である。 近年「課題研究」と称されているもので、3年間の化学教材実験の実践をまとめた。いままでの化学教育は、授業としての「化学」が対象だったと思う。しかし、「教育化学」では、もっと広げた多くの市民の参加が可能だと思う。本研究での提案は、「教育化学」の研究組織の確立です。多くの教育に携わっている方々の意見が反映できて、討論や研究成果の発表ができるような組織をつくりあげていくことが必要と考えている。今後、引き続き科研費の授助を得て、全国的な広がりへ進められることを期待する。
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