1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03805013
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宇野 義幸 岡山大学, 工学部, 助教授 (20029341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 豊 岡山大学, 工学部, 教授 (80032944)
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Keywords | バイオテクノロジ / バイオマシニング / 鉄酸化細菌 / 除去加工 / 培養 / ATCC / チオバチルス・フェロオキシダンス |
Research Abstract |
現在、加工技術の分野において実用化されているのは物理的加工法と化学的加工法であり、生物的加工法とみなされるものはまだ実用になっていない。しかし近年バイオテクノロジの発展はめざましく、各方面でその可能性が検討されている。もしミクロンオ-ダの微小な微生物に所定の位置に所定の量の加工を行なわせることができるならば、究極のマイクロマシニング用ツ-ルとして活用することも可能になると考えられる。本研究は、バクテリアリ-チングとして鉄、銅、ウラン等の抽出に適用が検討されている鉄酸化細菌を用いて金属の除去加工を行なおうとするものであり、ここではこれをバイオマシニングと名付けた。本研究で用いた細菌は、無機物を酸化してエルネギを獲得し、二酸化炭素を同化して生きている独立栄養細菌の一種で、Thiobacillus ferrooxidansと呼ばれる鉄酸化細菌である。この細菌はその大きさが(1〜2)x(0.5〜1)μmの短桿菌で、おもに鉱山の廃水などの酸性の液中に成育しており、ATCCには現在7種類が登録されている。本実験ではそのうち13598、13661、33020の3種類を用いた。本年度はこの細菌の培養方法を確立するとともに、若干の金属加工実験を行なった。培養は、9K培地を用いて28℃で1週間振盪することにより、約10^8個/mLの細菌を含む加工液を得ることができた。加工実験は各種加工液と工作物を用いて溝を加工し、経過時間と溝深さとの関係を求めた。その結果純鉄は、150時間の振盪によって250〜300μm、純銅は100時間の振盪によって40〜60μm程度の加工量が得られることが明らかとなった。しかし加工中にpHが上昇して細菌の活動を阻害するために、加工の進行が妨げられるという現象が見られたので、今後この点に対する検討を行う予定である。
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Research Products
(1 results)