1993 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌肝転移巣形成時における肝内免疫担当細胞の動態に関する研究
Project/Area Number |
03807082
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小針 雅男 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (30170369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
網倉 克己 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10231995)
赤石 敏 東北大学, 医学部, 助手 (70202504)
武田 和憲 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (20171639)
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Keywords | 膵癌 / 肝転移 / Kupffer細飽 / LAK |
Research Abstract |
1.健常人および膵癌症例の末梢血単核球をrIL-2と共に培養してLAK細胞を誘導し、細胞障害活性を4時間の^<51>Cr遊離試験にて測定した。健常人末梢血単核球のNK活性は26.1%、LAK活性7.1%、膵癌細胞障害活性は15.3%だったが、rIL-2700JRU/ml、同型血清10%を添加したAIM-V培地で7日間培養後には75.7%、69.8%、83.6%と細胞障害活性が誘導された。また膵癌細胞に対する細胞障害活性は7日目で最大となった。 2.膵癌症例の末梢血単核球を健常人の場合と同様に抗CD3抗体を固層化したフラスコを用いて培養したところ、3種類の膵癌培養細胞に対する細胞障害活性はNK活性36.5%、LAK活性42.1%、膵癌細胞に対しては6.5%、12.7%、23.5%という結果であったが、固層化抗CD3抗体を用いないで培養した場合、NK活性73.1%、LAK活性63.8%、膵癌細胞に対しては26.8%、12.3%、52.9%と高い活性が誘導された。 3.膵癌症例において成分採血装置を用いて大量に末梢血リンパ球を得て、これを7日間ガス透過型バッグで培養すると高い細飽障害活性が誘導された。 4.LAK細飽と膵癌細飽を混合してヌードマウスの皮下に接種するヌードマウス皮下移植モデルで、経時的に出現する腫瘍径を測定し、腫瘍体積、および増殖抑制率を求めた。末梢血単核球を腫瘍細飽と混合して接種したPBMC群では腫瘍増殖抑制は10%から45%程度に留まったのに対して、LAK細飽と混合して接種したLAK群では腫瘍の出現が極めて強く抑制され、ほぼ100%近い増殖抑制率を示した。
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