1992 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ酸利用率測定と針生検採取肝による蛋白合成率測定による肝機能評価
Project/Area Number |
03807083
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Research Institution | Surgery(II), Chiba University, School of Medicine |
Principal Investigator |
浅野 武秀 千葉大学, 医学部, 講師 (80143311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 俊之 千葉大学, 医学部, 助手 (30231278)
磯野 可一 千葉大学, 医学部, 教授 (70009489)
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Keywords | 肝機能 / 肝予備力 / アミノ酸 / アミノ酸利用率 / 肝蛋白合成率 / 肝切除 / 針生検 / 肝硬変症 |
Research Abstract |
生体侵襲時に最も重要な生体代謝能は肝蛋白合成力であることに着目し、肝機能の指標として、肝アミノ酸利用率測定と単位肝組織当たりの蛋白合成率測定より肝予備力評価が可能か否か検討し以下の結果を得た。 1)実験虚血障害肝、臨床肝手術例での検討に於いて、肝アミノ酸利用率は、その障害度に応じて変化する良い指標であること。このアミノ酸利用率は肝全体での蛋白合成能の近似であること。 2)ラット肝硬変モデルにおいて、肝蛋白合成率は、正常肝のそれと比し有意に上昇し、肝予備能の低下が示唆された。肝硬変モデルに肝切除を施行しその後の生存率を観察すると、切除前の肝蛋白合成率の上昇を示したもの、即ち肝予備能の低下を来していると考えられたものは、低い生存率であった。 3)臨床例に於て肝より針生検法にて肝組織を採取し蛋白合成力を測定すると、黄疸肝や硬変肝症例ではすでに肝蛋白合成力の増大がみられること、単位肝組織当たりの蛋白合成力の増大には限界があることから、休息状態における蛋白合成力の増大は単位肝組織当たりの予備力の低下を示していることを明らかにした。 4)反省点としては、この単位組織当たりの肝蛋白合成能の増大をin vitroに於いて測定しようと試み、採取肝組織のincubationをおこなった。ラット肝においてはin vitroのincubationで数倍の蛋白合成能の増大を確認出来その値とincubation前の値との差より予備力を測定し得たが、臨床例においては同様の方法では合成能を増大させるに至らなかった。これは種差による肝の反応性の違いと考えられ、今後さらにヒトにおけるincubation時間、種々のサイトカインの負荷等の条件を検討する必要がある。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 甲郡 聡夫: "針生検による肝蛋白合成率(HPS)測定と肝機能予備力評価への応用" 日本消化器病学会雑誌. 88(8). 1566-1570 (1991)
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[Publications] Toru Kubota: "Hepatic Protein Synthesis rate of biopsied liver tissve in the assessment of Preservation solution." Tronsplntation Proceedings. 24(4). 1625-1627 (1992)
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[Publications] 貝沼 修: "塩酸リドカイン代謝産物monoethy lglycinexy lidide 測定による肝機能評価" 日本消化器外科学会雑誌. 24(9). 2354-2357 (1991)
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[Publications] Osamu Kainuma: "Assessment of energy status and fructose metabolism obstructire jaundiced liver by 31P-MRS." J.of Surgical Research. (1993)
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[Publications] 浅野 武秀: "MEGXテスト,肝蛋白合成能測定による肝予備力評価" 第4回日本肝胆膵外科フォーラム抄録集. 11- (1992)