1991 Fiscal Year Annual Research Report
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03807131
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
伊藤 裕 愛知学院大学, 歯学部, 助教授 (20139950)
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Keywords | 咬合 / 歯牙接触 / 早期接触 / 歯の触診 / 咬合診査 / 手指圧 / 下顎運動 |
Research Abstract |
平成3年度の研究目標を達成すべく、まず平成3年度初頭にシミュレ-タ-の基本的構造部分の設計を行い、森田部分は歯科製作所に対し、その製作を依頼した。このシミュレ-タ-の基本部分は歯科実習用マネキン(ファントムPCT)に改造を加えたもので、咬頭嵌合位の厳密な再現性を得るために咬合器部分は完全蝶番式関節とした。また、人の下顎開閉運動を咬合器下弓部の振り子運動により模倣するため重心調節用可変分銅を取り付ける必要があった。本シミュレ-タ-は、既に納入され、愛知学院大学歯学部第3歯科補綴第3研究室内に設置されている。また平成3年度には以下のような調査と実験を行った。まず、左右の上顎犬歯および臼歯部における臨床上一般的と思われる触診圧を知る目的で、触診圧測定用シミュレ-タ-を用い、愛知学院大学歯学部補綴科に在籍する18名の歯科医師と22名の臨床実習生を対象とし、上顎左右犬歯ならびに中切歯に対する触診圧の調査を行った。その結果、歯科医師の上顎犬歯に対する触診圧は、中切歯とほぼ同様の50gであり、臨床経験の浅い学生に比べ、明らかに少ないことが解った(詳細については、愛知学院大学歯学会第38回学術大会にて報告)。次に上顎中切歯または犬歯の触診下での下顎の閉口速度に加え、触診による閉口運動路の変化を知る目的で目的で、健常有歯顎者5名について実験を行った。その結果、閉口直前の下顎運動の速度は、概ね切歯点で16.2m/secであり、触診による閉口運動路の変化は、殆ど認められなかった(閉口運動路の変化については4th Meeting of the International College of Prosthodoーntistsにて報告)。現在は、以上の研究結果についての論文執筆と、触診シミュレ-タ-の人工歯変位計の完成を急いでいる。
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[Publications] 伊藤 裕: "Palpation as a method for evaluating occlusal discrepancies." Journal of Oral Rehabilitation. 18. 563-568 (1991)
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[Publications] 伊藤 裕: "ADVANCED PROSTHODONTICS WORLDWIDE(分担)ーHabitual closing movement of mandible during palpationー" WCP Publications Committee, 631 (1991)