1991 Fiscal Year Annual Research Report
潜在構造連立方程式モデルによる社会システムの解法理論と実証の研究
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03832032
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
浅野 長一郎 創価大学, 工学部, 教授 (30037288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 威生 九州大学, 理学部, 助手 (90213925)
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Keywords | 潜在構造分析 / パス解析 / 芸術活動 / 最尤解 / MLEーSYSシステム / 数値解法ソフトウエア / 反応パタ-ン |
Research Abstract |
初年度の本申請課題においては、まず柯ー浅野(1988,1989)による計算アルゴリズムを実証研究において評価することを意図した。この社会システムの素材として三善晃・松田芳郎らの「わが国の芸術活動の動向予測に関する基礎研究」を用い、とくに現代青年(426名)の背景要因・芸術環境と顕在的日常生活が動機付けて生ずる潜在的芸術意識、そしてこれに基づく顕在的芸術活動について数種の複雑なネット的システムモデルを想定してデ-タ解析し探索的研究を行った。ここに要因としては性別・学歴・年齢・婚姻・住所などで、日常環境としては、TV・映画・ライブ・VD・マンガ・図書・美術参観・お稽古事などであった。しかし上記の資料では、それほど明確な潜在連立方程式モデルは示されず、観測項目の設定と芸術活動の間で複雑な潜在的的関係構造を追求する意図の厳密な基礎資料でないことが起因と考えられた。このような教条的計画によるデ-タは、むしろ単純化した木構造的モデルの方がよく適合する知見が得られた。次いで、解法理論の研究開発としては、実証研究を意図した調査票の資料併合における調査項目の分割・併合を行った際の推定特性、潜在クラスモデルによる反応パタ-ンのパス解析、さらに本課題における複雑な関係に関する種々のモデルにおける母数推定のための汎用の会話型尤推定ソフトウエア・システムMLEーSYSの研究開発を行った。このMLEーSYSは逐次反復収束による17種の無制約最適化法と5種の有制約最適化法による数値解法、尤度関数の最大化を追求する山登り法と等高線図の提示、数値解法や初期値の変更など種々の機能を有している。これらの研究成果の一部はすでに雑誌に公表され、他の研究は2年目の最終年度において完成の予定である。
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