1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04041037
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福代 康夫 東京大学, 農学部, 助教授 (10165318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CIELITO Gonz フィリピン水産資源局, 主任研究官
NINO Ismael フィリピン厚生省, 主任研究官
RHODORA Corr フィリピン大学, 海洋研究所, 準教授
QURAISYIN Ad インドネシア海洋研究所, 研究官
多田 邦尚 香川大学, 農学部, 助手 (80207042)
井上 博明 東京大学, 農学部, 助手 (40223268)
緒方 武比古 北里大学, 水産学部, 助教授 (00104521)
石丸 隆 東京水産大学, 助教授 (90114371)
松岡 数充 長崎大学, 教養部, 教授 (00047416)
児玉 正昭 北里大学, 水産学部, 教授 (40050588)
越智 正 香川大学, 農学部, 教授 (00035990)
岡市 友利 香川大学, 学長 (90035965)
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Keywords | 赤潮 / 麻痺性貝毒 / 下痢性貝毒 / 有毒プランクトン / 有毒渦鞭毛藻 / シスト / フィリピン / インドネシア |
Research Abstract |
平成4年は明年度の本調査に備える予備調査として、フィリピンとインドネシア国内の貝毒事件発生記録のある場所で、現場調査をしたほか、現地での調査実施難易度、現地への交通手段についても調べた。 フィリピンにおいては、10月25日〜11月15日と11月22日〜11月30日の2回にわたり、ルソン島、ミンダナオ島、セブ島、パナイ島、レイテ島、サマール島などの島内10ヶ所において水温、塩分などの環境要因の測定、プランクトンと海底泥試料および魚貝類試料を採集し、その中の有毒プランクトン分布量と毒量について分析を行った。また、貝毒発生状況、特に中毒の発生と魚貝類採捕禁止措置の実施状態について病院、農業事務所、郡役所などで聞き取り調査を行った。さらに、各地の大学研究者と機会をとらえて会合をもち、有毒赤潮の研究について討議して、今後の共同調査の可能性を検討した。インドネシアにおいても11月16日〜11月21日にジャカルタ市交郊外においてフィリピンと同様の現場調査と聞き取り調査、海洋研究所の研究者との意見交換を行った。 これらの調査で得られた試料のうち、プランクトン組成、魚貝類の毒量については分析が終了しているが、海底泥中のシスト分量などは一部未了である。これまでの結果によれば、プランクトン試料中には有毒種は認められず、魚貝類に含まれる毒もミンダナオ島のカミギン島で採集された貝類に麻痺性毒と下痢性毒の両者が検出されただけで、他はすベて無毒であった。ただ、下痢性毒は熱帯域で検出されたものとしては世界で初めてであり、今後の研究継続が重要と考えられた。そこで、フィリピン大学ヴィザヤス校とイースタンフィリピン大学に継続的なプランクトンと貝類試料採集を依頼して、共同研究を開始した。平成5年度は従来知られていた麻痺性毒のみならず、フィリピン中部海域に発生する下痢性毒についても調査研究を実施する必要性を強く感じた。
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Research Products
(1 results)