1992 Fiscal Year Annual Research Report

湿潤および乾燥ヒマラヤでの高山帯植物相の比較研究

Research Project

Project/Area Number	04041038
Research Institution	The University of Tokyo
Principal Investigator	大場秀章東京大学, 総合研究資料館, 助教授 (20004450)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	HUSAIN Furru ペシャワール大学, 植物学部, 助教授 BEG Abdur R パキスタン森林植物研究所, 生物学部, 部長 SUBEDI Mahen ネパール国立森林, 植物研究所, 次席研究官高山晴夫鹿島技術研究所, 研究員宮本太東京農業大学, 教養課程, 助手星野卓二岡山理科大学, 理学部, 助教授 (10122392) 八田洋章国立科学博物館, 筑波実験植物園, 主任研究官 (70132694) 高槻成紀東北大学, 理学部, 助手 (00124595)
Keywords	湿潤ヒマール / 乾燥ヒマール / 高山帯 / 植物相 / 植生 / 分類学 / ネパール / パキスタン
Research Abstract	ランタン・ヒマール(ネパール)で、湿潤ヒマールの高山帯植物相のもつ諸特性について解析を行なった。 1.セーター植物・温室植物など特異形態をした植物の光合成、葉温度、蒸発散の測定、および、それらの生育地での紫外線量の測定を行ない、これまで得られた測定結果と現在比較検討中である。 2.放牧家畜と植生の関係、および微地形と植生の対応については、短草型群落を選んで40点ほどの調査区で調査を行なった。標高とともに優先種が異なり、さらに優先率が異なることが明かになった。防衛植物については、家畜との関連で、群落の種多様性に寄与することが明らかになった。以上の結果は研究発表を行なった。 3.スゲ属、ヒゲハリスゲ属を中心とした細胞遺伝学的解析、およびイグサ科、ホシクサ科などの分類学的研究については、材料の収集を行い、現在解析中である。パキスタン北部で、乾燥ヒマールの高山帯植物相で調査を行い、湿潤ヒマールと対比させ解析を行なった。 1.乾燥ヒマール高山帯植物相の構成種は、湿潤ヒマールとは共通性が低く、むしろ北方・中央アジア高地さらには隣接する地中海型気候地域の植物相との関連が強く示唆された。これに関しては研究発表を行なった。 2.特異形態をした植物群については、湿潤ヒマールでみられた巨大化が、乾燥ヒマールではみられないことが明かになった。湿潤と乾燥という環境の違いが植物におよぼす生理生態的影響を明かにしていく予定である。 3.ベンケイソウ科などにおける染色体数と核型の解析の結果、イワベンケイ属の分布パターンからは、ヒマラヤさらに中央アジア高地周辺が種分化の主たる地域ぶあったことが示唆され、今後さらに系統関係と分布パターンについての解析を続ける予定である。

Research Products

(9 results)

All Other

All Publications (9 results)

[Publications] Rashid,A.&H.OHBA: "Collaborative research visit to the Norhtern areas of Pakistan." Newsletter of Himalayan Botany. no.13. 12-14 (1993)
[Publications] 大場秀章: "ヒマラヤのフロラ考:その東西比較にむけて" プランタ. no.26. 4-9 (1993)
[Publications] 高槻成紀: "ネパール中部、ランタン谷の草地群落と家畜の影響" プランタ. no.26. 10-19 (1993)
[Publications] HATTA,H.: "Notes on Cornus(Cornaceae)in Nepal." Annals of the Tsukuba Botanical Garden. 12. (1993)
[Publications] 八田洋章: "ネパールランタン谷におけるRhododendron lepidotumの標高に伴う樹形と葉面積の変動" 植物研究雑誌.
[Publications] 八田洋章: "ネパールランタン谷におけるツツジ属3種の実生形態" 筑波実験植物園研究報告.
[Publications] HOSHINO,T.,Rajbhandari,K.R.& H.OHBA: "Cytological studies of Himalayan Cyperaceae." Journal of Japanese Botany.
[Publications] TAKAYAMA,H.: "Botanical research in Langtang Vallev,Central Nepal." Newsletter of Himalayan Botany. no.13. 8-11 (1993)
[Publications] 高山晴夫: "ネパールヒマラヤ植物生態調査(その3)-中部ネパールランタン谷の高山帯における温度測定-" 鹿島技術研究所年報. no.41. (1993)

1992 Fiscal Year Annual Research Report

湿潤および乾燥ヒマラヤでの高山帯植物相の比較研究

Principal Investigator

大場 秀章 東京大学, 総合研究資料館, 助教授 (20004450)

Research Products

[Publications] Rashid,A.&H.OHBA: "Collaborative research visit to the Norhtern areas of Pakistan." Newsletter of Himalayan Botany. no.13. 12-14 (1993)

[Publications] 大場 秀章: "ヒマラヤのフロラ考:その東西比較にむけて" プランタ. no.26. 4-9 (1993)

[Publications] 高槻 成紀: "ネパール中部、ランタン谷の草地群落と家畜の影響" プランタ. no.26. 10-19 (1993)

[Publications] HATTA,H.: "Notes on Cornus(Cornaceae)in Nepal." Annals of the Tsukuba Botanical Garden. 12. (1993)

[Publications] 八田 洋章: "ネパールランタン谷におけるRhododendron lepidotumの標高に伴う樹形と葉面積の変動" 植物研究雑誌.

[Publications] 八田 洋章: "ネパールランタン谷におけるツツジ属3種の実生形態" 筑波実験植物園研究報告.

[Publications] HOSHINO,T.,Rajbhandari,K.R.& H.OHBA: "Cytological studies of Himalayan Cyperaceae." Journal of Japanese Botany.

[Publications] TAKAYAMA,H.: "Botanical research in Langtang Vallev,Central Nepal." Newsletter of Himalayan Botany. no.13. 8-11 (1993)

[Publications] 高山 晴夫: "ネパールヒマラヤ植物生態調査(その3)-中部ネパールランタン谷の高山帯における温度測定-" 鹿島技術研究所年報. no.41. (1993)

大場秀章東京大学, 総合研究資料館, 助教授 (20004450)

[Publications] 大場秀章: "ヒマラヤのフロラ考:その東西比較にむけて" プランタ. no.26. 4-9 (1993)

[Publications] 高槻成紀: "ネパール中部、ランタン谷の草地群落と家畜の影響" プランタ. no.26. 10-19 (1993)

[Publications] 八田洋章: "ネパールランタン谷におけるRhododendron lepidotumの標高に伴う樹形と葉面積の変動" 植物研究雑誌.

[Publications] 八田洋章: "ネパールランタン谷におけるツツジ属3種の実生形態" 筑波実験植物園研究報告.

[Publications] 高山晴夫: "ネパールヒマラヤ植物生態調査(その3)-中部ネパールランタン谷の高山帯における温度測定-" 鹿島技術研究所年報. no.41. (1993)