1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04041058
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
矢野 暢 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (60033734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉田 芳史 京都大学, 東南アジア研究センター, 助教授 (90197567)
海田 能宏 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (00026452)
土屋 健治 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (60009701)
前田 成文 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (50027588)
古川 久雄 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (00026410)
松原 正毅 国立民族学博物館, 教授 (30110084)
片倉 素子 国立民族学博物館, 教授 (60055308)
応地 利明 京都大学, 文学部, 教授 (60024212)
大野 盛雄 大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (90012963)
高谷 好一 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (90027582)
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Keywords | ヨーロッパの生態区 / 生態文化史 / 海域ネットワーク / 内陸水界ネットワーク / 資本主義の民族性 |
Research Abstract |
アルプス-カルバチア山脈以北の北ヨーロッパは生態的、民族的、文化史的に次の3地域に区分できる。 1a.ローマ・ライン河・イングランド北部を結ぶ線以西。フュニキア時代、ローマ時代を通じて、地中海文明が早く侵入し、商業的性格が早くから確立していた地域で、文明主義の中心に成長した。 1b.エルベ河以東エルベ・ドナウ経済圏として、黒海経由の地中海文明と北海を結びつける内陸ネットワークが発生した。民族的にフン、アヴァール、マジャール等とスラブ、ゲルマン、サクソン、ラテン系など複雑な混合状況を生む地理的位置にある。この為に、ネットワーク形成はユダヤ、アルメニア人など外部勢力の手にゆだねられることとなった。中世以降、現代に至るまで、安定性を欠く社会となっている。 2.北欧森林におおわれ、狩猟・採集が現在も存在し、素朴主義を保在する。複雑な海岸線をもつ海域であるが、同時に、内水面も極めて広く、水界と考えている。 ヨーロッパ全体の成帯性を、地中海を加えて考えると、北欧森林、アルプス-カルパチア以北の温帯森林ステップ、地中海乾性林となる民族的にはそれぞれアーリア、アーリア・セム、セム地域として特徴づけられる。セム地域が古い都市文化を保ち、都市相互の秩序を重要視してきたが、北欧森林の都市は新しい。素朴主義の金髪の野獣は温帯森林ステップ帯に入りこみ、セムと混合しつつ、近世になってアーリア的ネットワークを確立した。近代資本主義がそれである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 応地 利明: "「日本国と世界国」" 自意識と相互理解(荒野泰典ほか編)京大出版会所収. 287-319 (1993)
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[Publications] 矢野 暢: "「チャクリー改革」論序説" 東南アジア研究. 30. 3-36 (1992)
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[Publications] 土屋 健治: "アルマナック・ムラユ論" 東南アジア研究. 30. 113-191 (1992)
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[Publications] 松原 正毅: "カスピ海と黒海" 民博通信. (1993)
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[Publications] 片倉 素子: "国家と民族" 民博通信. 58. (1992)
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[Publications] 高谷 好一: "新世界秩序を求めて" 中公新書, 223 (1993)