1993 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯アジアにおける南西モンスーン長期変動と環境変遷
Project/Area Number |
04041076
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤原 健蔵 広島大学, 文学部, 教授 (90034545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SURATMAN Wor ガジャマダ大学, 地理学部, 講師
PAIBOON Pram タイ土地開発局, 研究員
PRINYA Nutal アジア工科大学, 教授
RAJAGURU S.N デカン大学, 考古学部, 教授
米林 仲 千葉県立中央博物館, 環境科, 主任技師 (50250155)
宮城 豊彦 東北学院大学, 文学部, 教授 (00137580)
田村 俊和 東北大学, 理学部, 教授 (00087149)
吉野 和子 駒澤大学, 文学部, 教授 (00101329)
前杢 英明 広島大学, 文学部, 助手 (50222287)
高橋 日出男 広島大学, 総合科学部, 助手 (40202155)
貞方 昇 北海道教育大学函館分校, 教育学部, 助教授 (20116594)
河瀬 正利 広島大学, 文学部, 助教授 (30093743)
豊原 源太郎 広島大学, 理学部, 講師 (00033895)
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Keywords | 環境変遷 / 最終氷期 / モンスーン・アジア / 斜面堆積物 / 泥炭層 / ラテライト / 円錐カルスト / ドライバレー |
Research Abstract |
本年度もインド・タイ・インドネシアの3ヶ国において南西モンスーンの長期変動を復元する目的で現地調査を行った.インドではデカン高原西部を中心に,地形,表層物質,植生,考古遺跡などに関する現地調査を行った.その結果,完新世堆積物は必ずしも3000年前に形成されたものとは限らないこと,更新世砂礫層は地形形成層とそれより古い地層に細分されることなどが判明した.最終氷期前後の環境変化が地形・地質へ及ぼす影響は,半乾燥地域の布状洪水による面的侵食が卓越する地形形成の大きな枠組みの中で,本流性(異地性)堆積物の層相に微妙に反映されていることがわかった.タイでは西部山麓地帯,東部高原地帯などを踏査して,各種地形,表層堆積物および風化断面の観察と試料採取を行った.その結果,最終氷期より前には斜面・河川とも,現在より活発な侵食・堆積が行われたが,最終氷期およびそれ以降は既存の堆積物からの細粒物質の洗い出しと,水および風によるその移動・再堆積が進行していることなどが明らかになった.さらに今後解明される事実を加え,南西モンスーンの変動との関係を考察していく予定である.インドネシアでは,ジャワ島南東部ジョクジャカルタ付近のカルスト地域で,時代によるカルスト化作用の強弱から最終間氷期以降の古環境を推定するため現地調査を行った.インド洋にむけて排水するサデンは完全なドライバレーで,3段の河岸段丘がみられ,いずれも段丘形成期に関連して発達した地下水系の痕跡がみられる.低位の河岸段丘面形成後,サデンドライバレーでは,急激な環境の変化に河川の作用が対応しきれず,地下水系を形成したものと考えられる.これには水量の減少,基準面の急激な低下等が起因していると思われる.
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Research Products
(1 results)