1993 Fiscal Year Annual Research Report
伝統イヌイット(エスキモー)文化の生業活動に関する民族考古学的な研究
Project/Area Number |
04041099
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Research Institution | Mejiro University College |
Principal Investigator |
スチュアート ヘンリ 目白学園女子短期大学, 生活科学科, 教授 (50187788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
手塚 薫 北海道開拓記念館, 学芸員 (40222145)
佐々木 亨 北海道立北方民族博物館, 学芸員
岸上 伸啓 北海道教育大学, 函館分校総合科学課程・文化科学科, 助教授 (60214772)
菊池 徹夫 早稲田大学, 文学部, 教授 (00147943)
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Keywords | 伝統時代 / 女性 / 遺跡 / 社会関係 / 世帯調査 / 民族科学 / 民族考古学 / 生業 |
Research Abstract |
当該年度に、民族学調査及び民族考古学調査を6月から8月まで、カナダ・ペリ-ベイ村とその周辺において実施した。 民族学調査:現在のイヌイット社会における女性の社会的地位と役割分担について調査した結果、伝統的な生業活動への女性の参加は減少している反面、彫刻などの工芸品作りは家族の経済基盤に貢献していることが明らかになった。そうした活動を通じて、女性は現在も積極的に経済の面で活動していることがわかった。また、現在の夏期の狩猟・漁撈活動などの生業活動について継続的な調査を行った。 また、イヌイットの文化では、周囲の事物、行動、情動に関する物理的・社会的・心理的現象をどう秩序づけているのかを、言語の側面と民族科学(ethno-science)の側面から、継続調査を行った。その成果は分析中につき、その結論は1994年の夏以降に公表する予定である。 民族考古学調査:前年度の調査成果を補充する目的で、新しい地点を選定し、1920〜1950年代にかけて使用されていたキャンプ遺跡を踏査し、遺構の精密な図面を作成した。その結果、定住政策により当時のイヌイットがペリ-ベイ村に住むようになった時期における生業活動及び行動範囲をかなり詳しく調べることができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] スチュアート,ヘンリ: "ネツリック・イヌイット社会における春の生業-5〜6月のカリブ-猟と漁撈を中心に-" 北方民族博物館 研究紀要2. 2. 13-36 (1993)
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[Publications] スチュアート,ヘンリ: "極北地帯の石干見・特殊な簗に関する民族学・考古学研究" 『史観』128. 128. 64-79 (1993)
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[Publications] スチュアート,ヘンリ: "イヌイットか、エスキモーか:民族呼称の問題" 民族学研究58-1. 58-1. 85-88 (1993)
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[Publications] 大村,敬一: "「描画から何を知ることができるのか?」-カナダ・イヌイットの描画89例の特徴とその分析上の諸問題に関する予備的考察-" 象徴図像研究. 8. 39-69 (1994)
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[Publications] スチュアート,ヘンリ・大村,敬一: "カナダ極北圏の民族学研究" 北極科学研究会(国立極地研究所 北極圏環境研究センター). (1994年発行予定). (1994)
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[Publications] 熊崎,保: "イヌイットの伝統的生業に関する民族考古学調査-カナダ極北圏ペリ-ベイにおける1992年の調査-" 北極科学研究会(国立極地研究所 北極圏環境研究センター). 23-25 (1993)