1992 Fiscal Year Annual Research Report
日中両国の主要経済主体のビヘイビアに関する実証的比較研究
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04044030
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
藤村 俊郎 福島大学, 経済学部, 教授 (30007405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曹 龍騏 中南財経大学, 財政金融系, 教授
周 肇先 中南財経大学, 貿易経済系, 教授
汪 延忠 中南財経大学, 計画統計系, 教授
梁 尚敏 中南財経大学, 財政金融系, 教授
周 彦文 中南財経大学, 経済学系, 教授
飯島 充男 福島大学, 経済学部, 教授 (70106946)
清水 修二 福島大学, 経済学部, 教授 (30134159)
山川 充夫 福島大学, 経済学部, 教授 (00094285)
北村 洋基 福島大学, 経済学部, 教授 (90091850)
相良 勝利 福島大学, 経済学部, 教授 (70007425)
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Keywords | 社会主義市場経済 / 改革・開放政等 / 経済体制改革 / 経営自主権 / 計画単列都市 / 分税制 |
Research Abstract |
中国共産党第14回大会の決定により「中国的社会主義市場経済モデル」に沿った経済体制改革が急ピッチで進行している。15回の日本側の訪中調査は省(湖北省)政府、市(武漢市・宜昌市)政府および金融機関(人民銀行等)の動向調査を中心にし、あわせて鉄鋼公司と証券公司の実情も調査した。 経済体制改革のポイントは、1.企業への経営自主権の委譲、株式化、合併等、経営メカニズムの転換、2.商品・金融・要素市場等の市場建設、3.マクロコントロールの指令型から指導型への転換、4.外資の導入が柱である。改革は急進展しているが、価格改革、流通過程の問題、欠損企業対策、あるいは社会保障体制の再構築など大きな課題に直面している状況が明らかとなった。政府の行財政改革も分権化の方向で進展している。とくに武漢市は「計画単列都市」に指定され省レベルの権限を与えられてきた。しかし法律にもとづく制度でないため各級政府の権限・責任が確定しておらず不安定性を孕んでいる。税制における「分税」の措置が進行していることも詳細に示されたが、政府機関の法的フレームワークが複雑かつ流動的で、正確な把握がかなり困難であり、今後に課題が残った。 中国側研究者との研究交流においては、上記のほかに農業農村問題の検討も行われた。過剰労働力の農外就業、土地の請負の流動化、耕地の転用等について実情が明らかにされた。次年度における農村調査でこれらの点については一層研究を深めることになろう。 中国側の訪日調査の重点は、証券・金融市場、地方政府の経済的機能および、中国の計画単列都市に類似するとみられている政令指定都市の実情であった。日本の証券市場の基本的しくみ、地方政府の権限、地方政府企業および第三セクターの実態等につき理解が深まったものと考える。
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[Publications] 山川 充夫: "武漢市の経済構造について(2)" 商学論集. 61巻2号. 63-82 (1992)
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[Publications] 藤村 俊郎: "中国経済の「サイクル現象」へのアプローチをめぐって" 商学論集. 61巻2号. 83-103 (1992)
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[Publications] 日中経済比較研究会: "日中比較研究交流資料(10)" 福島大学地域研究. (1993)
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[Publications] 山川 充夫: "武漢市の経済講造について(3)" 商学論集. (1993)
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[Publications] 飯島 充男: "都市農村格差と湖北省農民" 商学論集. (1993)