1993 Fiscal Year Annual Research Report
日中両国の主要経済主体のビヘイビアに関する実証的比較研究
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04044030
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
藤村 俊郎 福島大学, 経済学部, 教授 (30007405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曹 龍騏 中南財経大学, 財政金融系, 教授
周 肇先 中南財経大学, 貿易経済系, 教授
汪 廷忠 中南財経大学, 計画統計系, 教授
梁 尚敏 中南財経大学, 財政金融系, 教授
周 彦文 中南財経大学, 経済学系, 教授
飯島 充男 福島大学, 経済学部, 教授 (70106946)
清水 修二 福島大学, 経済学部, 教授 (30134159)
山川 充夫 福島大学, 経済学部, 教授 (00094285)
北村 洋基 福島大学, 経済学部, 教授 (90091850)
相良 勝利 福島大学, 経済学部, 教授 (70007425)
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Keywords | 社会主義市場経済 / 改革開放政策 / 国営企業の株式化 / 郷鎮企業 / 分税制 |
Research Abstract |
日本側の訪中調査の中心は、湖北省における主要農地域である襄〓市の経済および各級政府のビヘイビアを系統的に調査することに置かれた。襄〓市-襄陽県-太平鎮-田山村の4層にわたる政府当局からヒアリングを行なうと同時に、郷鎮企業の視察調査、個別農家訪問も行なった。これらにより当該地方における行政機構のしくみと改革の動向について詳細な知見が得られたほか、村段階および「農村小組」段階での企業活動がきわめて活発で市場経済化が深部において進行している実態を把握することができた。税財政改革に関しても今回の調査によりかなり明らかにされたが、予算外資金の実情や分税制の内容などまだ十分につかみきれない部分が残っている。また国営企業の株式化については首都鉄鋼公司の調査を通してその矛盾とともに実情に迫ることができた。 中国側の訪日調査は、1.大企業(日立製作所)におけるリストラクチャリングの状況等、2.東京都の臨海副都心開発の調査、3.福島地域の中小企業の経営および第3セクターによる中小企業振興の調査、4.農村(会津地方)における行政と農協・農家経営の調査、5.地方政府の企業経営(住宅供給公社および市営地下鉄)の調査、以上がその内容であった。地方公共団体の企業活動の実情については、中国における目下の市場化路線とはかなりギャップがあるし、また農業生産物(とくに米)の流通のしくみも大きく異なるので、今後さらに理解を深めることが必要である。 両国の研究者ともこの間の調査および研究交流により各種経済主体の活動につきかなり認識が深まった。これまでの調査の成果をまとめた書物(中国語)の発刊も実現した。次年度は必要な補充調査を行なうとともに相互の研究を総括する作業が課題となる。
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[Publications] 飯島充男: "都市・農村格差と湖北省農民" 商学論集. 62-1. 77-115 (1993)
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[Publications] 藤村俊郎.飯島充男.清水修二.片岡孝夫.相良勝利: "日中比較研究交流資料(10)" 福島大学地域研究. 5-3. 15-49 (1994)
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[Publications] 藤村俊郎.飯島充男.清水修二.片岡孝夫.相良勝利: "日中比較研究交流資料(11)" 福島大学地域研究. 5-4. 35-78 (1994)
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[Publications] 夏興園・藤村俊郎(編): "中日両国地区経済発展結構的比較分析(中文)" 武漢出版社, 467 (1993)