1992 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギーガンマ線用チェレンコフ望遠鏡による南天の観測
Project/Area Number |
04044041
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木舟 正 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (40011621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
R.W. CLAY アデレード大学, 物理物理数学科, 講師
J.R. PATTERSON アデレード大学, 物理物理数学科, 講師
R.J. PROTHERO アデレード大学, 物理物理数学科, 講師
水本 好彦 神戸大学, 理学部, 助教授 (20219653)
藤本 真克 国立天文台, 助教授 (90107475)
原 忠生 国立弓削高専, 教授 (60013413)
須田 英博 神戸大学, 理学部, 教授 (30011555)
藤井 啓文 国立高エネルギー物理学研究所, 助教授 (60013439)
河辺 征次 国立高エネルギー物理学研究所, 助教授 (10044786)
渡瀬 芳行 国立高エネルギー物理学研究所, 教授 (70018662)
松原 豊 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (80202323)
村木 綏 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (70013430)
荻尾 彰一 東京工業大学, 理学部, 助手 (20242258)
垣本 史雄 東京工業大学, 理学部, 助教授 (00092544)
谷森 達 東京工業大学, 理学部, 助教授 (10179856)
林田 直明 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (50114616)
手嶋 政広 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (40197778)
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Keywords | 高エネルギーガンマ線天文学 / 解像型チェレンコフ望遠鏡 / チェレンコフ光 / 空気シャワー / 宇宙線の加速 / 宇宙線の起源 / ガンマ線星 / 宇宙の高エネルギー現象 |
Research Abstract |
共同研究の相手側であるアデレード大学の望遠鏡と本研究の日本からの望遠鏡のためのアデレード大学の施設が、“宇宙物理学国際観測所"(International Astrophysical Observatory)として正式に発足し、平成4年4月13日にオーストラリア政府文部大臣フリー氏(Federal Minister for Science, Mr.Ross Free)の出席のもとに開所式が行われた。前年度末から開始した観測を引続き行いつつ、装置に改良、増設を加え望遠鏡を完成させた。 平成4年度前半には、のべ6人を観測現地に派遣し、総計220チャンネルの光電子増倍管からなるカメラを完成させ、ガンマ線パルサーPSR1706-44などの観測を行った。さらに、トリガー回路の改良整備をあわせ行い、約2〜3TeVの宇宙線陽子の検出に対応する約1Hzの頻度でのデータ収集を行っている。この性能は、ガンマ線の検出エネルギーとして約1TeVに対応し、実験計画立案当初の見込み通りの性能を実現することができた。また、アデレード大学の望遠鏡との同時観測も開始され、本望遠鏡のトリガーに対し約30%の割合で同時計測の事象があることが判明した。ほぼ期待通りの値である。年度後半には、のべ6人を派遣し、TeV領域において唯一確立したガンマ線源であるかにパルサー/星雲についての観測を行い、望遠鏡の性能の較正をガンマ線の信号により行うとともに、帆座のパルサーなどのガンマ線パルサー、および米国のガンマ線衛星CGROで最近発見された銀河系外の諸天体などについてデータを収集した。 これらの観測データから本研究の望遠鏡が0.1゚程度の角度分解能を実現していること、宇宙線雑音を除去して約1/10にすることができること(到来方向の情報を加えれば約1/100)などが確かめられた。望遠鏡の性能に関する公表論文は現在印刷中である。かにパルサーおよびその他のガンマ線パルサー、活動銀河の中心核などからの高エネルギーガンマ線の信号の検出に関しては、現在解析中でありさらに観測を継続すると共にその結果は適宜公表の予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Hara 他: "An Imaging Cerenkov Telescope of 3.8m Diameter for TeV Gamma-Ray Astronomy in the Collaboration between Japan and Australia" Nuclear Instruments and Methods,1993.(1993)
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[Publications] J.R.Patterson and T.KIFUNE: "The Gamma-Ray Astronomy Project CANGAROO" Australian and New Zealand Physicist. 29. 58-62 (1992)
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[Publications] T.KIFUNE: "The Energy Threshold of Imaging Cerenkov Technique and 3.8m Telescope of CANGAROO" ICRR Report 276-92-14 and to appear in the Proceedings of Workshop,¨Towards a Major Atmospheric Cerenkov Detector for TeV Astro/Particle Physics¨,1992.276-92-14. 1-9 (1992)
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[Publications] 吉越 貴紀: "3.8m解像型チェレンコフ望遠鏡によるTeVγ線観測と望遠鏡の特性" 修士諭文 東京工業大学理学部, 60 (1993)