1992 Fiscal Year Annual Research Report
超精密測定による中高エネルギー原子核・素粒子物理学の研究
Project/Area Number |
04044104
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水野 義之 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (30229710)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
H カレン ウプサラ大学, 理学部放射線科学部, 助教授
L グスタフソン ウプサラ大学, 理学部放射線科学部, 助教授
S クランダー ウプサラ大学, 理学部放射線科学部, 教授
清水 肇 山形大学, 教養部物理教室, 助教授 (20178982)
外川 浩章 大阪大学核物理研究センター, 助手 (30202196)
野呂 哲夫 大阪大学核物理研究センター, 助教授 (30164750)
安東 愛之輔 理化学研究所大型放射光計画, 蓄積リング研究開発室, 室長 (80044783)
中井 浩二 文部省高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 教授 (40028155)
池上 栄胤 大阪大学核物理研究センター, 教授 (00016031)
|
Keywords | 高輝度粒子ビーム / 粒子ビーム冷却 / サイクロトロン・メーザー / 軽い中間子の崩壊 / ハドロンの電磁崩壊 / ハドロンのクォーク・グルーオン構造 |
Research Abstract |
1.「サイクロトロンメーザーによる粒子ビーム冷却の新原理(CMCと略称)」の検証実験。CMCとは、本研究分担者である池上教授が1990年に理論的にその可能性を予言したものであり、加速器での粒子ビーム冷却効率の飛躍的向上を可能とするものである。実験的には、同教授を研究代表者とする平成2、3年度の科研費(国際共同研究)によってCMCの検証が示唆された。本研究においては、これを引き継ぐ形でCMC原理の確証とその検証をまず行なった。そのために研究分担者であるウプサラ大学のSクランダー教授の指導により、研究協力者Fクランダー氏が本学に派遣され共同研究を行なった。実験結果を分析した結果、予言通りにビームの横運動量成分の広がりを極短時間(数十ナノ秒)で収縮できることがほぼ確認された。この結果は平成4年8月末、ウプサラでの国際会議の冒頭講演として取り上げられた。一連のCMC実験の結果は研究協力者Fクランダー氏の博士論文(大阪大学理学博士)ともなり、出版公表された。 本研究は国際的にも大きな反響を呼び、平成5年10月には欧州合同素粒子物理研究機構CERNにて、粒子ビーム冷却の国際シンポジウムが予定され、これに池上教授が招待される。そのため我々は8月にはウプサラ大学において、量子非線形光学など関連分野の専門家を招いて共同研究を企画している。 2.物理研究計画「軽い中間子の電磁崩壊による中間子内部のクォークグルーオン構造の実験的研究」このテーマについては本研究代表者水野助教授のCERNでの研究経験蓄積が重要であり、成果は多い。またウプサラ大学の冷却蓄積リングによる実験計画の検討では、シミュレーション計算と模擬データの解析段階である。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Hidetsugu IKEGAMI: "¨Cyclotron Maser Cooling of Electron and Ion Beams¨" Proceedings of Second International Conference of Particle Production near Threshold,August 1992,Uppsala,to be published in ¨Physica Scripat¨. (1993)
-
[Publications] Yoshiyuki MIZUNO: "¨Radiative Decays of Light Mesons¨" Proceedings of Second International Conference of Particle Production near Threshold,August 1992,Uppsala,to be published in ¨Physica Scripat¨. (1993)
-
[Publications] H.Calen et al.,(Uppsala-WASA共同研究): "“Deuteron Breakup by 1.15 GeV Protons and EXcitation of the Δ Isobar"" Physics Letters B,. (1993)
-
[Publications] NMC(CERN-NA37)共同研究(Y.MIZUNO): "“Transvers Momentum Distributions for Exclusive ρ^0 Muoproduction"" Zeischrift fuer Phyzik C-Particles and Fields. C54. 239-245 (1992)
-
[Publications] Y.MIZUNO et al.(CERN-EMC共同研究): "“Muoproduction of J/Ψ and the Gluon Distribution of the Nucleon"" Zeitschrift fuer Phyzik C-Particles and Fields. C56. 21-28 (1992)
-
[Publications] "“Proton and Deuteron F2 Structure Functions in Deep Inelastic Scattering"" Physics Letters B. B295. 159-168 (1992)
-
[Publications] Fredrik Kullander: "″CYCROTRON MASER COOLING-A first experimental study-″" (博士論文の出版), 112 (1992)