1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04044145
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
河谷 正仁 昭和大学, 医学部, 助教授 (00177700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
J.L.KEAST クイーンズランド大学, 医学部, 講師
J.F.B Morris リーズ大学, 医学部, 教授
W.C.DE Groat ピッツバーグ大学, 医学部, 教授
松本 元一 昭和大学, 医学部, 助手 (00219495)
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Keywords | 膀胱炎 / インターロイキン1 / 神経終末 / Fura 2 / 脊髄 / C-fos / サブスタンスP / NKI受容体 |
Research Abstract |
4月より米国ピッツバーグ大学de Groat教授の研究員Birder博士が来日し8月末まで東京で河谷・松本と共同研究を行った。炎症に伴い放出されるインターロイキン1β(IL1β)による,骨盤臓器の一つ膀胱の変化を検討した。その結果,(1)IL1βを膀胱腔内に注入すると,排尿反射をおこす閾値の低下が認められた。(2)IL1βは一次性知覚細胞内のCa^<++>量を一過性に上昇させた。このCa^<++>量の上昇は,ライアノジンで抑制されたが,イベリオトキシン,ウワバイン,ニフェダピンでは抑制されなかったことから細胞内のCa^<++>貯蔵部よりの放出と考えられる。(3)膀胱内腔をIL1βで環流すると脊髄後角に癌遺伝子c-fos発現細胞がみとめられた。この陽性細胞は膀胱からの知覚の2次,3次細胞と考えられた。以上よりIL1βは膀胱炎時に局所に放出され,知覚細胞の興奮性を高め,頻尿,疼痛をおこしている可能性を示した。 尿の充満を脊髄で伝える神経伝達物質としてサブスタンスPなどが考えられている。この受容体の一つNK1受容体の拮抗剤CP96345を髄腔内投与して,排尿反射に及ぼす影響を検討したところ,薬物量依存的に膀胱収縮の圧と頻度を抑制した。また,膀胱内にIL1βにを環流させた結果脊髄内に発現してきた。c-fosはこの拮抗剤で80%の減少を認めた。従って膀胱炎発生により脊髄後角ではタヒキニンが放出されているものと考えられた。 1月は来日したKeast博士との研究では,知覚神経終末より放出される伝達物質の一つ,CCKが膀胱平滑筋を収縮させ,骨盤神経節細胞に対してはシナプス前に作用しシナプス伝達を促通している事が明らかとした。3月には,Morrison教授と研究計画を練り上げ,4月末には,de Groat教授に来日してもらい共同研究を続ける予定である。
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[Publications] 河谷 正仁: "脊髄における内臓痛の伝達" BRAIN MEDICAL. 4. 391-398 (1992)
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[Publications] Kawatani,M.,et al: "Intrathecal adminstration of NK1 receptor antagonist,CP96345,inhibits the micturutuion reflex in the rat." Regulatory peptides.
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[Publications] Kawatani,M.,Birder,L.A.et al: "Nociceptive affernt pathways innervating the urogenital tract in Processing and Inhibition of Nociceptive Information R.Inoki,Y.Shigenaga and M.Tohyama,eds" Elsevier Science Pub., 15-21 (1992)