1992 Fiscal Year Annual Research Report
科学衛星SOLAR-Aによる太陽フレアの日英協力研究
Project/Area Number |
04044171
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
渡邊 鉄哉 国立天文台, 太陽物理学研究系, 助教授 (60134631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
R D Bentley ロンド大学, マラード宇宙科学研究所, 研究員
J L Culhene ロンド大学, マラード宇宙科学研究所, 教授
小川原 嘉明 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 教授 (80013671)
坂尾 太郎 国立天文台, 太陽物理学研究系, 助手 (00225781)
常田 佐久 東京大学, 理学部, 助教授 (50188603)
小杉 健郎 国立天文台, 電波天文学研究系, 教授 (70107473)
平山 淳 国立天文台, 太陽物理学研究系, 教授 (20012841)
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Keywords | 太陽軟X線スペクトル / ブラッグ分光器 / 太陽コロナ / 太陽フレア |
Research Abstract |
昨年度打ち上げに成功した太陽観測衛星「ようこう」は順調に飛翔を続け,新しい成果をもたらしている。国内の地上望遠鏡群とともに今期太陽極大期の総合的な観測網を形成している。観測衛星が2年目に突入し定常観測が定着したので,地上観測網とも有機的な連携プレーが実現しつつある。また世界各国の地上観測設備,ロケット,気球を中心とする飛翔体観測装置との共同研究も盛んに行なわれるようになってきた。 これらの観測的なバックグラウンドを背景にし,とくに,「ようこう」の成果を中心にした国外におけるワークショップ,研究会における講演、参加の数が増大した。また依然軌道上で正常に動作し貴重なデータをとり続けている日英協力機器・ブラッグ分光器の群細な健康診断・較正も会合をもって検討を行なった。11月にはフレア硬X線画像の共同研究を目的に英国側の主任研究員を招聘した。今期太陽極大記活躍の「ようこう」の大きな成果として挙げられることは、磁気シアーを原因とし磁気再結合を基調とする太陽コロナ活動の描像が定着したことにある。太陽フレアにおいては、実際磁気再結合によりエネルギ解放が起こり、彩層から加熱されたプラズマがフレア・ループに沿ってコロナ中に上昇してくる現場が実証された。また太陽コロナが非常にダイナミックであり、例えば活動領域における小さなフレアのようなループの増光。ジェットのようなプラズマの噴出、いわゆるX線輝点の突然の増光、コロナの大規模構造の変化、など様々の種類の活動性が発見・検証され、いずれも磁気再結合と深く関わりがあることが明快になってきた。
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