1993 Fiscal Year Annual Research Report
「共生と交流」の時代における都市政治に関する社会学的調査研究
Project/Area Number |
04301018
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
貝沼 洵 名古屋大学, 文学部, 助教授 (00097635)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 則行 名古屋大学, 文学部, 助手 (30234131)
米田 公則 椙山女学園大学, 生活科学部, 講師 (50195864)
津村 修 流通経済大学, 社会学部, 助教授 (20188626)
黒田 由彦 名古屋大学, 教養部・情報文化学部, 助教授 (30170137)
板倉 達文 名古屋大学, 教養部・人間情報学研究科, 教授 (10139389)
|
Keywords | 「芝生と交流」の時代 / 地方都市 / 都市政治 / グローバリゼーション / ローカルな集積 / 「まちづくり」の主体と方法 |
Research Abstract |
平成4年度より6年度までの3年間の研究期間のうちの二年度目の中間的な実績報告となる。実施計画に即して、数市のインテンシブな調査-昨年度は岐阜県関市(報告済)、本年度〜来年度は浜松市-と、名古屋都市圏の地方都市の類型的調査研究、そして、その他地方圏の地方都市の調査と、調査研究全体を三層に編成して行ってきた。岐阜県関市に関する昨年度中の成果を関市調査の最終纒めとして冊子を作成した。また、名古屋都市圏の地方諸都市に関しても、大垣・可児・土岐の各市を対象に実施した大量質問紙調査の結果の分析もふくめ、基本的な調査は終了し、現在、原稿を作成中である。これについては、来年度中に単行本として刊行の予定である。浜松調査とその他の全国の地方都市の類型化に関しては、最終年度の全体の報告書の中に組み込む予定である。今までのところで得られた全体的な知見としては、1.地方都市の活性化の諸資源は、グローバルなもの(例えば産業構造の転換など)とローカルな蓄積(文化、自然環境など)とがある。2.その活用のパターンを敢えて分析的に区分すれば、(1)グローバリゼーション-地域産業構造の転換-「まちづくり」の「開発型」の経路と、(2)グローバリゼーション(過疎化の加速)-ローカルな蓄積の再編-「まちづくり」の経路があり、(1)は地域住民生活の多様化を促進し、(2)の場合は、地域内に主たる産業基盤の存在しない諸地域で地域福祉などを通じての人的資源の再編による「地域統合」の強化をもたらしやすい。3.いずれにしても、それらの諸資源・諸経路を選択する「まちづくりの主体と方法」という意味で都市政治の役割が重要性を増している。4.「まちづくりの主体と方法」は、地域名望家型、行政主導型、地域支配層転換(再編)型、住民参加型があり、1)〜4)までの諸パターンの組合せによって地方都市の類型化が可能ではないかという予見を持つに至っている。
|