1993 Fiscal Year Annual Research Report
幼稚園および小学校における環境と子どもの活動の研究
Project/Area Number |
04301029
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
無藤 隆 お茶の水女子大学, 生活科学部, 教授 (40111562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩立 京子 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (40185426)
藤崎 春代 帝京大学, 文学部, 助教授 (00199308)
藤崎 真知代 群馬大学, 教育学部, 助教授 (90156852)
田代 和美 お茶の水女子大学, 生活科学部, 講師 (80227074)
柴坂 寿子 お茶の水女子大学, 生活科学部, 講師 (50221297)
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Keywords | 幼稚園環境 / 小学校の環境 / 生活科 / 場所への愛着 / 心理的空間 / 生態学的気づき / 環境認知 |
Research Abstract |
本研究は、幼稚園の保育及び小学校の生活科の授業において園内と校内・校外の環境がどのように使われているかを観察により検討したものである。2年間にわたり保育・授業の観察を行った。本年度には、縦断研究の2年目としての観察を行った。保育については、対象の幼稚園を広げ、かつ上の学年での観察を中心とした。小学校生活科では引続き同じクラスの子どもについて2年生を対象とした。その両者に共通する環境への関わり方として、前年度の成果から想定された三つの発達的変化、すなわち、環境への愛着を通しての気づきの成立、受動的に楽しむことから能動的に作り出すことへの変化、心理的空間から生態学的空間の成り立ちへの変化を認めることができた。特に、小学校の生活科の授業においては、身近ないくつかの場所に何度も行くことを通して、その場所に愛着を抱き、そこから特に生態学的な気づきを得ていく過程を見いだした。保育においても、園内の環境に対して、愛着を抱き、その子どもたち独自の使い方をする過程を見いだした。並行して、確かに子どもたちが身近な環境に対して、上の想定された気づきを得ているかどうかを検討した。幼児年長児と小学校1・2年生を対象として、身近な環境の認知の実験を行った。幼稚園と小学校の内外の身近な場所を写真で示し、何を思うかを尋ねた。その場所の要因としては、その場所での活動の自由度、場所の理解、場所での出来事の記憶、人とのつながりなどがあり、それが場所への愛着と関係しているかどうかを検討した。その結果、好む場所と遊び・活動との関連が示唆された。
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[Publications] 無藤 隆: "場所への愛着を核とした生活科の授業" せいかつか-日本生活科教育学会機関誌. 1(ページ未定). (1994)
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[Publications] 無藤 隆: "園環境は子どもにとってどのような意味を持つか" 保育学研究. 31. 113-122 (1993)
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[Publications] 藤崎春代: "幼稚園での仲間入り・仲間はずれにおける玩具の役割" 教育者・研究者のための遊び・おもちゃに関する研究集. 1. 186-197 (1993)
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[Publications] 倉持清美: "自由保育場面の製作活動" 保育学研究. 30. 52-58 (1992)
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[Publications] 柴坂寿子: "幼稚園児と環境との関わりとその変化" 日本保育学会発表論文集. 47(予定). (1994)
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[Publications] 中島寿子: "わが国における保育環境の歴史的変遷について 3、ぶらんこ" 日本保育学会発表論文集. 47(予定). (1994)
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[Publications] 無藤 隆: "幼児教育と学校教育" 岡本夏木他編 岩波講座幼児の生活と教育第1巻 岩波書店(刊行予定),
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[Publications] 無藤 隆編: "園は子どもの宇宙である" ミネルヴァ書房(刊行予定),