1992 Fiscal Year Annual Research Report
アジア地域の音楽文化の継承・育成の方法論的研究ーアジア共通教材の視点からー
Project/Area Number |
04301097
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
加藤 富美子 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (30185855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂手木 潔子 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (30174345)
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Keywords | 劇作法 / 劇音楽 / 演技 / 場面描写 / 自然描写 / 歌舞伎 / 下座音楽 / 京劇 |
Research Abstract |
アジア地域の劇作法と音楽との関連の共通性を軸にした教材開発を目的として以下のような研究を行なった。 1歌舞伎の下座音楽の分析 (1)演技と音楽の関わり・・・「連理引」(大太鼓)…妖怪などに後から引かれ身動きできない様子、「見得」(ツケ析、ツケ板)…動作の決まりを表現、「六法」(能管、大太鼓)…勇壮さを表現 (2)場面描写と音楽の関わり・・・「着到」(能管、太鼓類)…出演者の到着、「ネトリ」(能管、大太鼓)…妖怪やお化けの登場、「来序」(笛、太鼓)…狐が現われる時、「シャギリ」(笛、太鼓類)…終幕の音楽 (3)自然描写と音楽の関わり・・・「雪音」(大太鼓)、「風音」(大太鼓)など 2京劇(アジアの劇音楽の一つとして)の分析 (1)動作の伴奏の音楽(武場=打楽器類)・・・身段鑼鼓1…舞踊的動作身段鑼鼓2…一般的な動作 (2)劇的効果の用途の音楽(武場=打楽器類)・・・劇的気分を盛り上げるリズムパターン「急急風」…立ち回りの緊張、「叫頭」…悲しみに打ちひしがれるなど (3)場面を表す音楽(文場=弦楽器類)・・・殿中に上がる、宴会を催す、掃除、着替えなどの場面を表す「小開問」…皇帝貴族の乗り物の到着など広い用途、「柳青娘」…若い女性の家事、若い男女の見初めなど 3共通性を快にした教材開発 歌舞伎の下座音楽と中国の京劇を「劇作法と音楽」という観点から比較するために、以上の分析の観点に基づいて、それぞれの専門家たちの演技および演奏によるVTRを作成した。
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