1993 Fiscal Year Annual Research Report
バイオ・リサイクル-その基本的機構とバリエーション
Project/Area Number |
04304002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安部 琢哉 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (00045030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 敦子 京都大学, 生態学研究センター, 助手 (50235892)
東 正彦 京都大学, 生態学研究センター, 助教授 (40183917)
山村 則雄 佐賀大学, 医学部, 助教授 (70124815)
小野寺 〓次 宮崎大学, 農学部, 教授 (60040862)
山岡 郁雄 山口大学, 理学部, 教授 (30034705)
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Keywords | バイオ・リサイクル / シロアリ / ルーメン動物 / C / Nバランス / 消化共生 / メタン細菌 / 空中窒素固定バクテリア |
Research Abstract |
シロアリおよびルーメン動物における消化共生の発達機構と生態系におけるそれらの役割について以下の結果を得た。 1.琉球列島に分布する乾材シロアリ、コウシュウシロアリの体の窒素の少なくとも30%、おそらく、50%以上が空中窒素起源であること(シロアリ消化管の窒素固定バクテリアの働きによる)が窒素の安定同位体の分析から分かった。しかし、枯死イネ科植物を食べるオーストラリア産のテングシロアリでは窒素固定バクテリアの活性は高くなかった。 2.ヤマトシロアリが、唾液腺だけでなく中腸においてもセルラーゼ(CMセルラーゼ)を作ることを唾液腺、中腸と後腸のセルラーゼの化学分析によって明らかにした。 3.ヤマトシロアリグループについて、体表面ワックスの化学成分や共生原生動物相の地理分布を比較した結果、C型分布(トカラ海峡をはさむ、屋久島-奄美、沖縄間で組成が大きく異なり、日本本土、日本本土に近い中国大陸、台湾のものはお互いに似る)を示すことが分かった。 4.シロアリとルーメン動物における、消化共生の進化過程を、寄生から共生への進化について数理的解析および、セルロース分解と窒素の獲得様式の比較から検討した。 5.シロアリを含めて、菌類と密接な関係を持つ土壌動物の生態系における役割およびシロアリにおけるメタンの生成過程(安定同位体の分析による)について検討した。 6.ヤギのルーメンに共生するバクテリア菌類の生理生化学的活性を調べた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 安部琢哉: "空中窒素を食べるシロアリ" 科学. 63. 781-788 (1993)
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[Publications] ABE,Takuya: "Fauna and nesting habits of termites in the pest swamp forest and rubaer plantation" Island Studies in Okinawa. 11. 43-54 (1995)
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[Publications] KITADE,O: "Cluster analysis on symbiotic protozoan fauna of termites and wood-feeding cockroach Cryptocercus" Endo cyto biology. 5. 155-159 (1993)
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[Publications] SUGIMOTO,A: "Carbon,isotopic composition of bacterial methone in a soil incubation experiment:contribution of acetate and CO_2/H_2" Geochimica et Gosmochimica Acta. 57. (1993)
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[Publications] YAMAMURA,N: "Vertical transmission and evolution of mutualism from parasitism" The oretical Population Biology. 43. (1993)
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[Publications] HIGASHI,M.: "Producer-decomposer matching in a semple model ecosystem:a network coevolutivary approach to ecosystem organization" Proceedings of a Joint U.S.Japan Seminar in the environmental Sciences. 4129. 131-145 (1993)
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[Publications] 安部琢哉: "生物と環境 32-49,82-102" 朝倉書店, 224 (1993)