1993 Fiscal Year Annual Research Report
外国人児童・生徒の受け入れとその指導・教育に関する実践的研究
Project/Area Number |
04306010
|
Research Institution | MEJIRO GAKUEN WOMEN'S COLLEGE |
Principal Investigator |
中西 晃 目白学園女子短期大学, 英語英文科, 教授 (00134776)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 雅弘 一橋大学, 商学部, 助教授 (90200899)
国枝 マリ 津田塾大学, 学芸学部, 助教授 (00205105)
斉藤 耕二 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70014686)
江淵 一公 九州大学, 教育学部, 教授 (60036845)
佐藤 郡衛 東京学芸大学, 海外子女教育センター, 助教授 (20205909)
|
Keywords | 外国人子女教育 / 母語保持 / 過年齢現象 / 取り出し指導 / 交流 |
Research Abstract |
外国人児童・生徒への聞き取り調査によって得た資料の分析を行なった。分析の観点は、家庭でや学校での生活、母語保持、将来像などについてである。その結果、日本人の子どもたちとの交流が学校においても家庭においても限定されていること、自宅での学習量が少ないこと、特に非漢字圏からの児童・生徒は日本語の負担が多い教科を不得手としていること、母語の喪失について不安をもっていること、日本の高校進学の希望が強いことなどが判明した。 教師調査では、聞き取り調査の他に初期指導、学習困難な教科の指導、教科外指導、親とのコミュニケーションについて行ない分析した。言語に関しては滞在が長期化するにつれて日本語力は上昇するが母語が弱くなること、国語指導が困難であること、現行カリキュラムでは対応ができないこと、過年齢現象と生徒指導の問題、親とのコミュニケーションに困難があることなどが判った。 学校の指導実践報告書の分析では20校について行った。編入では年齢相当学年のクラスに入れ、必要な教科に限って下の学年で授業を受けさせる。取り出し指導では、日本語・教科の他に生活適応の指導をする、家庭との連絡に工夫をしている、昼間両親が働いているため連絡がとれにくい、国際理解集会や展示コーナーなどで一般児童・生徒との相互啓発を図る学校が多いことが判った。 日本の児童・生徒の外国人児童・生徒に対する意識・行動調査では小学生786名、中学生737名の回答を分析した。小学生の交流は多いが、中学生になると少なくなる。交流が困難な理由は共通の話題がない、現在の友が大切、外国人同士が一緒にいるなどである。しかし、勉強の面では助けてあげること、自文化中心主義の傾向は少ないことなどが分かり、親和性の高い学級ほど外国人の子どもに積極的姿勢を示していることが判明した。
|