1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04402019
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
兵藤 申一 明治大学, 理工学部, 教授 (60012019)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 睿 明治大学, 理工学部, 教授 (20092140)
隹 博坤 明治大学, 理工学部, 助教授 (30143530)
小泉 大一 明治大学, 理工学部, 助教授 (60126050)
小野寺 嘉孝 明治大学, 理工学部, 教授 (70087039)
市川 禎宏 明治大学, 理工学部, 教授 (60005965)
|
Keywords | 液体金属脆化 / アルミニウム / 銅 / ガリウム / アコースティック・エミッション / 破壊 / トンネル顕微鏡 |
Research Abstract |
今年度は3種類の実験を行った。(1)これまでの実験の断続として、ジュラルミン・銅に一定の負荷応力ををかけた状態で液体ガリウムを付着させたときの破壊挙動を調べた。ジュラルミンを600℃で熱処理した試料では、ガリウムによる脆性破壊に至る時間は負荷応力の値に大きく依存し、負荷応力が大きいほど破壊が加速されることがわかった。この傾向は400℃熱処理試料でも見られるが、600℃の場合ほど顕著ではない。一方、熱処理をしない試料では破壊にまで至らなかった。この結果から、結晶粒が大きいほどまた負荷応力が大きいほどガリウムの浸透速度が大きいことがわかった。銅試料では、負荷応力なし、熱処理なしの場合は多数のAcoustic Emission観測されたが、引張試験においてガリウムによる脆化は起きなかった。600℃,800℃で熱処理した銅では負荷応力なしでAEも観測されず、またガリウムによる脆化も見られなかった。銅-Gaの組み合わせはアルミ-Gaと異なり、脆化が起きないことがわかった。 (2) アルミニウム薄膜のガリウム破壊模様の観察。純アルミニウムをガラス基板に真空蒸着させ、そこにガリウムを付着させるとガリウムが数十分のオーダーで放射状に浸透していくことが肉眼で見ることができた。そこで浸透の様子を顕微鏡下でビデオに録画した。このような破壊の様子が観察できるのはきわめて希であり、今後そのメカニズムについて研究する予定である。 (3) トンネル顕微鏡による銅-ガリウム脆化機構の微視的観察。まず、アルミ-Gaの組み合わせでガリウム浸透の様子を原子スケールで観察することを試みたが、アルミ単結晶の清浄表面を観察することはできなかった。次に銅-Gaでは観察に成功し、段階状の銅原子のエッジからガリウムが侵食することがわかった。
|