1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04402019
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
兵藤 申一 明治大学, 理工学部, 教授 (30010713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 睿 明治大学, 理工学部, 教授 (20092140)
崔 博坤 明治大学, 理工学部, 助教授 (30143530)
小泉 大一 明治大学, 理工学部, 助教授 (60126050)
小野寺 嘉孝 明治大学, 理工学部, 教授 (70087039)
市川 禎宏 明治大学, 理工学部, 教授 (60005965)
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Keywords | 液体金属脆化 / アルミニウム / 非晶質 / ガリウム / アコースティック・エミッション / 破壊 / トンネル顕微鏡 |
Research Abstract |
今年度は主として、昨年度に初めて見つかったアルミニウム薄膜上のガリウム異常拡散の実験を行った。 純アルミニウムをガラス基板に真空蒸着させ、そこにガリウムを付着させるとガリウムが数十分のオーダーで放射状に拡散していくことが肉眼で見ることができた。そこでその様子を顕微鏡下でビデオに録画するとともに、ガラス基板温度、アニール温度、付着するGa量などを変えて、拡散速度を測定した。その結果、拡散には網目状に拡散していく過程(I)と、それに続くぼやっとした曇り状に拡散する過程(II)の、2段階であることがわかった。過程Iの拡散速度は膜厚が厚いほど、また基板温度が高いほど大きくなったが、過程IIの速度は膜厚、基板温度には依存しなかった。また、264℃、515℃でアニールした試料では過程Iは存在せず、過程IIのみが観測された。このことから、過程Iの網目状拡散は、アルミ膜の残留応力や結晶構造、特に結晶粒径に依存するのではないかと考えられる。 次に、異常拡散機構を調べるため、原子間力顕微鏡、走査電子顕微鏡、X線光電子分光(XPS)、電子プローブマイクロアナライザーを用いて、拡散後の試料観測を行った。網目状の模様はひび割れではなく、高さ数マイクロメートルの盛り上がりであること、網目模様は多量のガリウムとアルミから成っていること、過程IIの曇りではガリウムが酸化アルミ膜の下に潜り込んでいることがわかった。これらの結果と液体金属脆性は関わり合っていることが予想される。
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