1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04402036
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Research Institution | The Uiversity of Tokyo |
Principal Investigator |
野本 敏治 東京大学, 工学部, 教授 (80011170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 和浩 東京大学, 工学部, 助手 (80222488)
榎沢 誠 東京大学, 工学部, 助手 (40011077)
大塚 守三 東京大学, 工学部, 助手 (30010896)
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Keywords | 撓鉄(ぎょうてつ)作業 / シミュレータ / 有限要素解析 / 板曲げ加工 / 熱収縮 / 面外変形 / 非線形大撓み解析 / 高周波誘導加熱 |
Research Abstract |
造船業では,船体の独特な曲がり形状を実現するために,ガスバ-ナを用いて鋼板を曲げ加工する技術が不可欠である。この曲げ加工技術は撓鉄(ぎょうてつ)作業と呼ばれ,造船業における固有技能の一つである。しかし,撓鉄作業は熟練作業者の長年に亘る経験と勘に依存する部分が多く,生産環境の変化に伴う若年労働者の減少に伴い,技術の継承問題が深刻に問われている。本研究では,この撓鉄作業に着目し,計算機を利用したシミュレータを作成することによって,技術の伝承,さらに装置化や自動化を実現可能とする基礎的研究である。 本年度では,第一年度,第二年度の研究成果を利用し,実際のシミュレータを構築することを主目的とした。その際に,板曲げ加工における熱収縮問題に取り組み,第二年度の研究によって得られた面外変形のモデル化を参考に,熱収縮のモデル化を行った。具体的には,熱収縮における荷重条件として,熱収縮を起こす等価な圧縮加重を焼き線から一定距離だけ離れた節点に対してかけ,拘束条件としては焼き線の中点に相当する節点を全自由度拘束した。そして,面外変形と熱収縮のモデル化を考慮した板曲げ加工の実用シミュレータをワークステーション上に構築した。 また,構築したシミュレータの有効性を確認するために,シミュレータによって得られる結果と,実験値との比較を行うことによって,曲げ加工シミュレータ用に構築した有限要素プログラムの有効性,および面外変形・熱収縮のモデル化を検証した。比較の結果としては,シミュレータとしての定性的な変形挙動は十分満足しているものと確認することができた。さらに,実用シミュレータの構築を目的に,現場作業者が使用可能なインターフェースを整備した。
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