1993 Fiscal Year Annual Research Report
移植研究用ラットの系統の標準化と移植成績評価のための動物実験系の確立に関する研究
Project/Area Number |
04404087
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
野村 達次 (社)実験動物中央研究所, 所長 (10072399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 均 (財)実験動物中央研究所, 実験移植センター, 室長代理 (80167395)
伊藤 守 (財)実験動物中央研究所, 免疫研究室, 室長 (00176364)
加藤 秀樹 (財)実験動物中央研究所, 遺伝研究室, 室長 (30142053)
玉置 透 東京医科大学, 八王子医療センター・臓器移植部, 部長
谷岡 功邦 (財)実験動物中央研究所, 実験移植センター, 室長 (10072406)
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Keywords | 移植 / ラット / 系統 |
Research Abstract |
昨年度、移植免疫研究に必要な系統として8系統を選抜した。本年度は、7系統358匹の標準系統を用いて、種々の組み合わせによる移植成績の比較検討を行った。さらに(LEW×BN)F1ハイブリッドラットとLEWラット間の組み合わせをそれぞれ173匹用い、性差および週令差について生着日数の検討を行った。 標準系統を用いての種々の組み合わせにおいては、どの組み合わせの系統を用いたときに強拒絶系か、中拒絶系あるいは弱拒絶系を示すのかが明らかになった。ドナーにACIを用いたときにはレシピエントがどの系統であっても強い拒絶を示した。しかし、ドナーをLEWのときには多くが弱い拒絶を示した、 週令が移植心生着日数に及ぼす影響に関しては、若齢群35例の7.34±1.35日に対し、成熟群93例では6.15±0.43日であり、若齢群において有意(P<0.001)に移植心生着日数の延長が認められた。この影響は週令に依存していることが示唆された。性差に関しては差は見られなかった。 一方、移植免疫の場で広く使われているF344(RT1^<1V1>)、LEW(RT1^n)、BN(RT1^a)、ACI(RT1^k)、WKA(RT1^k)の5系統についてリンバ球サブセットの検討を行った。 LEW、BN、ACI、WKAHに関しては、LEWではCD4陽性細胞率が成熟度により低下していた。BNでは各週令ともにCD8陽性細胞率が著明な低下が示された。ACI、WKAHでは週令間には差が見られなかった。F344では各週令間でのCD8陽性細胞率には変化は見られなかった。一方、CD4は9〜11週で高値を示した。以上、近交系ラット間のリンパ球サブセットには系統差が認められた。
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