1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04451025
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
羽生 義正 広島大学, 教育学部, 教授 (70033545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森井 康幸 吉備国際大学, 社会学部, 講師 (10174393)
唐川 千秋 広島大学, 教育学部, 助手 (40233994)
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Keywords | 位置習性 / 弁別学習 / 不確定度 / 空間学習 / オープン・フィールド / 不安動因 / 反応抑制 / 計数 |
Research Abstract |
1.相対的多数性弁別に関する研究(羽生分担):自己ペース弁別装置での視覚的な数弁別実験のための予備実験として、位置習性の有無と簡単な視覚弁別学習の速度との相関関係を調べる実験を現在実施中である。通常、位置習性は弁別学習を妨害するとされているが、情報論的立場からは、位置習性は事態の不確定度を減らし、速度であればむしろ弁別学習を促進すると考えられる。この予測を多数の被験体を使って相関論的に確認する予定である。2.順序構造と空間学習に関する研究(唐川分担):昨年度の実験で、オープン・フィールドでの計数手がかりの利用は、餌場としたトンネルが内包する機能に依存することが示されたため、その機能の一端を明らかにした。具体的には、トンネル内で餌を与える群とそうでない群を設けて、6基のトンネルの中から1つを選択できるかどうかを比較した結果、2群が同等に少ない試行数で正解トンネルを選択するようになった。なお、強化子がなくても素早く空間学習がなされるのは、自然環境を模したオープン・フィールド内での数手がかり利用がトンネル事態に備わった巣穴の機能に基づいており、そこに避難することで空間への恐怖が低減されるためである、と考察された。3.数刺激の認知-行為変換に関する研究(森井分担):(1)レトラクタブル・レバーつきのスキナー箱で音の提示回数(1音と3音)の弁別訓練を行なった。弁別反応(音の回数に対応したレバー押し反応を示す)が見られ、実験は一応成功したが、音提示の接続時間の変数が混入しているらしいことが示された。(2)電気ショックが3回提示されるあいだ摂食反応を抑制しなければならない事態で実験した。その結果、ほぼ3回の電気ショックの終了まで反応の抑制が見られた。この場合は、ショック提示の接続時間の要因は効果を及ぼさなかった。ショック回数を5回まで増やしたが、やはり計数が可能らしいことがわかった。
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[Publications] 羽生 義正: "自己ペース学習装置におけるラットの弁別学習について" 中四国心理学会論文集. 26. 25 (1993)
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[Publications] 羽生 義正: "連合理論再考(続):A.Bainにおける数・空間・時間概念の感覚的基礎について" 日本心理学会第57回大会発表論文集. 6 (1993)
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[Publications] 森井 康幸: "ラットにおける数量弁別-継続的に提示された刺激の数と反応の反復回数の対応(2)-" 日本心理学会第58回大会発表論文集. (予定). (1994)
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[Publications] 森井 康幸: "ラットにおける電撃回数の計測" 日本動物心理学会第54回大会発表抄録. (予定). (1994)
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[Publications] 唐川 千秋: "ラットの計数能力に関する研究(I)-オープン・フィールド場面での計数行動-" 日本心理学会第57回大会発表論文集. 649 (1993)
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[Publications] 唐川 千秋: "事象系列の学習における異なる系列的課題間の相互作用" 広島大学教育学部紀要 第1部(心理学). 42(印刷中). (1993)