1992 Fiscal Year Annual Research Report
学級規模が教師ー児童・生徒の教育活動に及ぼす効果に関する研究
Project/Area Number |
04451026
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石井 眞治 広島大学, 学校教育学部, 教授 (60112158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今塩屋 隼男 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (30044952)
藤原 武弘 広島大学, 総合科学部, 助教授 (20033706)
堀 忠雄 広島大学, 総合科学部, 教授 (10020132)
井上 弥 広島大学, 学校教育学部, 助教授 (10201336)
高橋 超 広島大学, 学校教育学部, 教授 (80033554)
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Keywords | 教室規模 / 教授行動 / 非言語的行動 |
Research Abstract |
学級規模が教師の授業活動に与える影響を検討するため、小学校3年生、4年生で40人学級、20人学級、10人学級を作り、それぞれの学級で20分間の国語の授業を行った。授業中の教師の心拍、声量、非言語的行動を測定した。また授業終了後、「教えやすさ」に関する調査用紙に回答させた。さらに、授業を受けた児童には教師の教授行動(非言語的行動)を評価させた。主な結果は次の通りであった。 1.40人学級と10人学級の平均心拍数の差を個人内要因による検討の結果、有意な差がみられた。これに対して、40人学級と20人学級との間には有意な差はみられなかった。2.20人学級と10人学級の平均心拍数についても検定を行った結果、両者に有意な差はみられなかった。この結果より教師は、10人学級よりも40人学級において、より強い緊張を強いられることが示された。3.授業開始後、1分及び2分後で20人学級で教える時の方が10人学級が教える時より、大きな声を教師は出していた。4.授業後の内省を検討した結果、40人学級では「教師の注意が行き届かない」、「児童の個人差を無視してしまう」、「学習効果をあげにくい」、「疲れる」、「やりがいがある」等の意見があがった。また10人・20人学級においては「個人差に対応でき個性を尊重できる」、「注意が行き届く」、「児童の授業への関与度が高まる」、「戸惑った」、「授業が活気が生まれにくい」、「児童同志の相互交流に欠ける」等の意見があがった。5.授業者の教授行動について児童に質問紙により評定を求めたが、児童は学級の規模よりも、むしろ教師のパーソナリティーに依存している回答傾向を示した。 以上の結果、40人学級よりは20人学級、10人学級での教師の疲労や緊張が小さいことが示された。しかし、心理的には10人学級の方が20人学級より好ましいとの結論はくだせなかった。
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