1993 Fiscal Year Annual Research Report
学習障害児・軽度精神薄弱児・自閉症児の学習過程および学校適応に関する比較研究
Project/Area Number |
04451064
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Research Institution | The National Institute of Special Education |
Principal Investigator |
宮崎 直男 国立特殊教育総合研究所, 精神薄弱教育研究部, 部長 (20150055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 俊郎 国立特殊教育総合研究所, 精神薄弱教育研究部, 研究室長 (00150053)
緒方 登士雄 国立特殊教育総合研究所, 精神薄弱教育研究部, 主任研究官 (80152370)
篠原 吉徳 国立特殊教育総合研究所, 精神薄弱教育研究部, 研究室長 (10150054)
小塩 允護 国立特殊教育総合研究所, 精神薄弱教育研究部, 研究室長 (90090422)
緒方 明子 国立特殊教育総合研究所, 精神薄弱教育研究部, 主任研究官 (40170419)
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Keywords | 学習障害児 / 軽度精神薄弱児 / 自閉症児 / 学校適応 |
Research Abstract |
本研究では、学校教育の中で援助を必要としている子どもたちの学習過程に現れる特徴と学校適応上の問題を明らかにすることを目的とした。対象としたのは、教科学習に特異な困難があり、様々なつまずきを示す子どもたち、軽度の精神遅滞児、そして自閉症児である。現在、様々な教育的なニーズをもつ子どもたちが通常の学級、特殊学級、そして養護学校に在籍している。子どもたちがもつ困難さは一人ひとり異なり、したがって指導法も多様である。しかし、どの子どもも「困っている」ことには変わりはなく、援助を必要としていたのである。子どもたちへの援助を継続してみた結果、行動面にかかわる問題は容易に解決できるものではなく、長期的な指導の必要性が明らかにされた。 学習過程に関する報告を概観してみると、いずれの場合も個別の系統的な指導の有効性が示されるいる。一人ひとりの学習過程上の特性を明らかにし、適切な指導が行われるためには、子どもの特性を把握し、指導法を構築し、さらに指導法の有効性を省みることが必要である。通常の学級に在籍する子どもたちについては、いずれも通常の教育過程についていくことは難しいものの、担任の配慮と工夫によって学校生活への適応が図られている事例について検討した。今までは「子どもへの指導」、「子どもの問題」といったように子どもの側にだけ視点が置かれていたが、本研究の結果から、教師への援助の必要性が強調された。
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