1992 Fiscal Year Annual Research Report
重度発達障害児の相互的コミュニケーションの質に関する開発的研究
Project/Area Number |
04451065
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
太田 俊己 千葉大学, 教育学部, 助教授 (50152145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若松 昭彦 国立特殊教育総合研究所, 精神薄弱教育研究部, 研究員 (70230919)
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Keywords | 重度発達障害児 / 相互的コミュニケーション / 対人関係 / 発達障害児 / 補助代替コミュニケーション / 生活の質 / ノーマリゼーション / コミュニケーション |
Research Abstract |
重度発達障害児の社会参加と社会的統合には、コミュニケーションの成立と対人関係の進展が重要であり、ここでは「相互的コミュニケーションの質」とする。発達障害児のコミュニケーションと対人関係の相手であり、その成立の鍵を握る周囲の側の要因に焦点をあてる。すなわち、様態として乏しい表出・受容の状態にあり、かかわりも少ない重度発達障害児に対して、かかわる周囲の側の変容を分析の主対象とし、以下を目的にする。 a.対象児のコミュニケーションおよび対人関係の実態分析を行い、「相互的コミュニケーションの質」に関する知見を得る。 b.対象児のコミュニケーションの質の実態をふまえ、明暸度の高い表出手段を付与し、これに伴う周囲(指導者・子ども)の応答性の変化を検出する。 c.これにより、相互的コミュニケーションの質を高める諸要因を明らかにする。 今年度は主として次の事項を実施し成果を得た。 (1)研究上手掛けやすい条件にあった対象児に関し、日常場面の行動観察を実施した。これにより、コミュニケーションならびに対人関係の実態分析を進めた。 (2)相互的コミュニケーションとその質に関して情報の集積を行い、研究の枠組みを検討した。 (3)実態分析の結果、ある脳性マヒによる発達障害児では、周囲の側(指導者、子ども)からの働きかけは応分にあるが、本児の働きかけへの受容の側面は乏しく、相互的コミュニケーションが均衡に欠ける状態にあることが判明した。次年度は、実態分析を続行するとともに、音声出力コミュニケーション装置の本格適用を行う。
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