1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04451079
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
稲田 孝司 岡山大学, 文学部, 教授 (40135926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富樫 孝志 岡山大学, 文学部, 助手 (40237061)
絹川 一徳 岡山大学, 文学部, 助手 (50204938)
鈴木 茂之 岡山大学, 理学部, 講師 (00183418)
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Keywords | 旧石器時代 / 縄文時代 / 動物化石 / タフオノミー |
Research Abstract |
1.石灰岩洞穴の発掘調査 1993年10月4日から10日まで、岡山県新見市足見NT洞穴の発掘調査を行った。第1洞では、化石を含む堆積層を上面から約2mの深さまで掘り下げたが、堆積層の下底になお到達していない。昨年度、年代を決めるうえで重要な手がかりになると予測していた火山灰層については、化石包含層の上面を薄く覆うのみであることが判明した。火山灰は後期更新世の三瓶浮布火山灰の可能性が高く、したがって化石包含層もそれ以前となることがほぼ確実となった。第2洞は、洞壁面にわずかな堆積層が付着するのみであった。第1洞・第2洞では共通してシカ化石を含むが、とくに食虫類ハリネズミ・トガリネズミ・ジネズミ、ゲッシ類ニホンムカシヤチネズミ・ヒメネズミ等、小動物化石が豊富であった。とりわけハリネズミは日本で2例目の確認であり、ニホンムカシヤチネズミとともに、この化石包含層が中期更新世に遡る可能性を示すものとなった。化石は粘土に包まれており、縦穴への転落による堆積と推定できよう。 2.瀬戸内海海底産出動物化石とその産出層の調査 香川県三豊郡詫間町の荘内半島三崎沖の海釜域では、現在も時折漁船が底引き網でゾウ・シカなどの動物化石を引き上げている。1993年11月4・5日、この海域を中心として水中テレビロボットによる海底の探査を行った。海釜は南北に長いが、半島側の東辺では海底地形図にはない砂州の発達がみられた。南辺の御幸岩付辺は転石が多い。海釜北端は、水深約60mで砂泥堆積物となり、化石包含層としてはこの付近が最も可能性が高いと推定できた。操業中の漁船から若干の採取化石を入手し、引き上げの状況を聴取することができた。
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Research Products
(1 results)