1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04451121
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
嘉田 良平 京都大学, 農学部, 助教授 (90111947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 滋晃 京都大学, 農学部, 講師 (70169308)
津田 盛也 京都大学, 農学部, 助教授 (10026578)
渡辺 紹裕 京都大学, 農学部, 助教授 (50175105)
宮崎 昭 京都大学, 農学部, 教授 (80026608)
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Keywords | 環境保全型農業 / 水田の多面的役割 / 農政改革 / 生態系 / 持続的農業 / 経営規模問題 / 減農薬(低農薬)稲作 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本の水田稲作をいかに環境及び景観保全という新しい社会的目標と両立させるか、また、単収や所得を維持しつついかに化学肥料や農薬を減少させることができるのかについて、自然科学と社会科学の両面から実証的に解明することである。 平成4年度においては、主要農業地帯ごとに典型的村落を選定し、いわゆる環境保全型農業に向けて試行錯誤を行っている事例をとりあげ、詳細な実態調査を長野県、石川県、徳島県、沖縄県などにおいて実施した。その際、水田が果たしている多面的機能を明らかにするために、農業経済学のみならず、水利工学、土壌肥科学、農薬学、作物学、家畜栄養学等の各分野の専門的立場から学際的な共同研究を行うようにつとめた。以下、各分担者ごとの平成4年度における中門成果の概要を記す。 研究代表者の嘉田は、欧米諸国における環境保全型農業の動向と政策対応をふまえて、日本の水田農業に対する意味づけと求められる政策のあり方を究明した。 分担者の宮崎は、わが国畜産におけるチッ素収支の問題についてフン尿処理のあり方と堆肥化にかかわる経営・流通問題および技術的課題について研究を行った。同じく渡辺は、水田および水田管理が流域の水環境に及ぼす影響について、琵琶湖水系を対象とするモデル解析を行った。一方、津田は水田農業に対して農薬使用がもたらす生態系への影響の実態について文献レビューを行うとともに、減農薬あるいは無農薬の稲作が水稲の反収いかなる影響を及ぼすかについて計量的に明らかにした。小田は、農業経営学の立場から農業経営規模と低投入持続的農業との関係について実態調査を行った。次年度においては、これらの各分担者の個別研究を基礎として全体研究会を行うなかから、総合的な政策対応について解明する予定である。
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Research Products
(2 results)