1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04452150
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Research Institution | MUSASHI INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
染谷 常雄 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (30010680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧口 雅章 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (40188115)
古浜 庄一 武蔵工業大学, 学長 (50061445)
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Keywords | ピストン / シリンダボア / 変形 / オイル消費 / 焼き付き / 有限要素法 / ガソリンエンジン |
Research Abstract |
1)シリンダボアの変形について 各種ボア形状を持つ湿式ライナを用いたレベル方によるオイル消費測定およびピストンリング・ボアの変形を考慮したリング=ボア間油膜挙動について理論的考察を行い、シリンダボア変形に由来するオイル消費機構について調べた。ボア正規曲率より大きい曲率を持つ部分が多いほどリングの追従性が悪化するため、非追従部分でリング=ボア油膜内慣性力によりオイルが上方へ運ばれ、飛散・蒸気等にて消費されるオイル量が増加する。変形ボアを持つライナを用いリングの追従性について調べた結果、ボア変形曲率の大きい部分が多いほどその追従性が悪化する事が分かった。また変形量が大きく回転数が高いほどオイル消費量は多い。その消費量はリング・ボア間隙間の3乗及び回転数の2乗に比例するためであることが実験的・理論的考察により分かった。 2)ピストンスカートの変形について スカートオーバル値が変形・シリンダボアとの接触・衝突振動およびスカート部潤滑に与える影響を調べた。オーバル値が小さいとボア曲率に近くなるので側圧力作用による変形が小さくなり見かけ上の剛性が増し、また熱変形により剛性の高いスカート肩部で接触し易くなるため高出力時においてスラップ振動が極端に大きくなる。またスカート部スカッフについて調べたところ、オーバル値の大きいピストンはスカート上部での当たりが強く出ており、接触範囲が狭いと単位面積当たりの負荷容量が増すためであると推察され、接触範囲とスカート部の潤滑には強い関係がある事が分かった。 またガス圧力による変形について静圧試験と実働試験との相違点について調べた。ピンボス部でのピンとの接触位置が変形量に与える影響が大きい事が分かったが、実働時回転数の増加にともない変形量が減少する現象との相関については明確な理由が得られなかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 一杉英司 他2名: "Study on machanism of Oil Consumption by Cylinder Bore Deformation" SAE Fuel & Lubrication. (発表予定). (1995)
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[Publications] 一杉英司 他3名: "乾式ライナ構造の実働時シリンダボア変形に関する研究" 自動車技術会学術講演前刷集. (発表予定). (1995)
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[Publications] 伊東明美 他2名: "回転シリンダによるエンジン実働中のピストン変形の測定に関する研究" 自動車技術会論文集. 25. 93-98 (1994)
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[Publications] 伊東明美 他4名: "Measurement of Piston-Skirt Deformation in Engine Operation" SAE Paper 930717. (1993)
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[Publications] 伊東明美 他2名: "実働エンジンにおけるピストンスカート部の変形の測定に関する研究-回転シリンダ方法による測定-" 自動車技術会学術講演前刷集. 933. 149-152 (1993)
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[Publications] 伊東明美 他3名: "回転シリンダによるエンジン実働中のピストン変形の測定に関する研究" 自動車技術会学術講演前刷集. 934. 81-84 (1993)