1992 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー誘雷の実現に向けてーレーザーによる放電誘導メカニズムの解明ー
Project/Area Number |
04452162
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤原 閲夫 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 助手 (90156919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井澤 靖和 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 教授 (10029316)
河崎 善一郎 大阪大学, 工学部, 助教授 (60126852)
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Keywords | レーザー誘雷 / 放電誘導 / プラズマチャンネル / 吸収・散乱特性 / 雷予知技術 |
Research Abstract |
レーザー誘雷の実現のためには、(1)レーザーによる長尺プラズマチャンネルの発生、(2)得られたプラズマへの放電誘導、および(3)レーザーの大気中での吸収・散乱特性の把握が重要である。さらに(4)雷予知技術も不可欠であり、これらが組合わさってレーザー誘雷が実現できる。 レーザーに出力100J/2GWの電子ビーム制御TEACO_2レーザーを使用した基礎実験を進めている。(1)項では新たに考案した多焦点MACH集光鏡によって従来の世界記録を更新する8.5m(印加電圧-1.1MV)の長放電誘導を達成した。レーザーがない場合には放電可能な電極間隔は約1.6mであったことから同一電圧で5倍以上の長放電が可能であった。MACH鏡は長いプラズマ発生のスケーリング則を立て易く、長放電に適している。またレーザービームを3本に分割し、3本の誘導路を重ね合わせた“Z"放電を試みた。通常このような放電は困難であり、レーザーによる放電路の制御性が高い事を示している。 (2)項では平板電極を用いた定量的な放電誘導条件の測定を行なうとともに、放電誘導メカニズムの把握に努めている。レーザープラズマがある場合に放電誘導に必要な最低電界は0.2MV/mであることがわかった。レーザーがない場合にはおよそ3MV/mの電界強度が必要なことから、大幅な放電電界の低減が図られた。レーザープラズマによって空間電界が歪む様子を3次元電界計算シミュレーションを行なっている。上部棒電極(電圧印加)と接地棒電極間にレーザープラズマは細長く一様に形成されていると仮定した。電界歪は生成プラズマ付近の狭い領域に限られており、また電界を歪める効果は金属線よりもずいぶん弱いことが分かった。レーザーによる放電誘導の有無はこのようなプラズマ近傍の電界が放電のしきい値を越えるかどうかにのみ依存していることを示唆していた。 (3)項は今後の課題である。(4)項では雷雲位置の予知とレーザー発射タイミングの予知が重要な課題である。
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[Publications] Z.Kawasaki: "“Long laser-induced discharge in atmospheric air"" Res.Lett.Atmos.Electr. 12. 139- (1992)
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[Publications] K.Nakamura: "“Long laser-induced discharge in atmospheric air"" CLEO'92 Anaheim,California,USA,May10-15,CThP3. (1992)
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[Publications] E.Fujiwara: "“Preliminary experiments of laser induced lightning"" Eleventh International Wroclow Symposium on Electro-Magnetic Compatibility,Wroclow,Poland.(1992). (1992)