1993 Fiscal Year Annual Research Report
ケーブル・ソケット一体構造の時間依存特性に関する研究
Project/Area Number |
04452220
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡邊 英一 京都大学, 工学部, 教授 (30026174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋田 芳朗 (株)神戸製鋼所, 構造技術センター, 技術員
宇都宮 智昭 京都大学, 工学部, 助手 (10211773)
杉浦 邦征 京都大学, 工学部, 助手 (70216307)
古田 均 京都大学, 工学部, 助教授 (70109031)
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Keywords | ケーブル / 亜鉛定着 / 抜け出し / 付着強度 / 側圧 / クリープ / 寸法効果 |
Research Abstract |
ケーブル構造の需要が益々高まる現在であるが、ケーブル系橋梁の長大化にともなって、より強く、耐久性の高いケーブル・アンカー構造が望まれ、さらに、安全性設計と架設工事、維持管理の観点から、クリープ・リラクセーション等の長期的挙動の対策を検討する必要性があるなど、より詳しいケーブル特性の情報が必要となってきている。 本研究の課題は、(1)ケーブル・ソケット一体構造の時間依存特性:ケーブル本体の時間依存特性、アンカー部のケーブル付着強度・抜け出し特性の解明、(2)ケーブル系橋梁の経時挙動予測の高精度化および維持管理システムの構築、である。平成4年度および今年度は、主に、従来研究成果が公式に発表されなかったケーブル定着部(ソケット)の時間依存性の解明に重点を置いた調査研究を行い、ここでは、定着材料、ケーブル材料および形状、寸法効果などの影響を明らかにしてきた。手法としては、基本的な抜け出し試験(粘着強度)および長期的試験(クリープ)を行い、平行してケーブル構造の構成式を決定した。また、今年度は、ケーブルを用いた構造系の維持管理を対象として、斜張橋などのケーブル張力調整法に関して研究を進めている。 本年度の研究成果は以下のようである。定着部の強度、つまり、鋼素線および亜鉛・銅合金の付着特性を載荷実験により明らかにし、現在用いられている設計基準強度の再検討を行った。また、側圧を考慮した設計強度の検討も行った。内圧の増加は、クリープ特性に悪影響を及ぼすといわれているが、付着強度を高める効果があり、有効に活用できると考えられる。また、クリープ試験から、定着部での抜け出し量の時間依存量は、弾性的変形量の数パーセントで、比較的早く定常状態に至ることがわかった。
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Research Products
(1 results)